4.『引っ越し大名!』(19) 監督:犬童一心 120分
2019年には時代劇映画で主演を飾った星野源だが、やはりというべきか「引きこもり侍」という特徴的な役どころで魅せた。
書庫にこもって本を読んでばかりで、“かたつむり”と呼ばれる武士・片桐春之介(星野源)は、すべての藩士とその家族で別の国に移住する一大プロジェクトの責任者「引っ越し奉行」に任命されてしまう。参勤交代を凌駕する重責と過密な業務、さらにコストカットなどの難題に四苦八苦する春之介だが、業務に懸命に取り組む中で、人間的にも成長を遂げていく。
血気盛んな「ザ・武士」というポジションとは正反対の、時代劇には珍しいインドアなキャラクターが、星野の持ち味にぴったりとフィット。他者からの圧に戸惑い続ける“リアクション芸”には、ますます磨きがかかっている。星野が発する「ええー……」は、もはやお家芸だ。
加えて、春之介が“覚醒”していく中で立ち振る舞いにオーラがみなぎっていく姿を、説得力を込めて表現。観客の共感性を引っ張り続ける、星野にうってつけの役どころといえるだろう。
豪快な幼なじみを演じた高橋一生、しっかり者の“右腕”に扮した高畑充希とのやり取りも微笑ましく、笑って楽しめる爽快な一作に仕上がっている。
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