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北村匠海出演のおすすめ映画5選!底知れぬ可能性を秘めた22歳

(C)2020「サヨナラまでの30分」製作委員会

北村匠海出演のおすすめ映画5選!底知れぬ可能性を秘めた22歳

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若干22歳。なのにこの落ち着きはなんだ。北村匠海という役者に、ルーキーという言葉はまるで似合わない。


そもそも彼は、小学3年生でスカウトされ、芸能界入りした強者。優に10年以上のキャリアを持つベテランだ。デビュー当時は100本以上オーディションを受けるもなかなか通らず、雌伏の時を過ごしていたそうだが、2008年には映画『DIVE!!』で池松壮亮の幼少期を演じ、『重力ピエロ』(09)では岡田将生、『TAJOMARU』(09)では小栗旬、『陽だまりの彼女』(13)では松本潤と、メインキャストの少年時代を演じることで、1つずつ実績を積んでいった。


2011年には、高い評価を受けたドラマ『鈴木先生』でキーキャラクターの1人を好演。土屋太鳳、松岡茉優といった現在の人気女優たちとクラスメートを演じた(土屋とは『春待つ僕ら』(18)、松岡とは『勝手にふるえてろ』(17)で再共演しているのも興味深い)。こちらでは、普段は品行方正だが給食の時にだけ問題行動を起こす謎めいたキャラクターに扮し、長谷川博己演じる主人公の教師を“試す”そぶりを見せるなど、存在感を発揮している。2012年には、『平清盛』で大河ドラマデビューも果たした。


その後の活躍は、今や誰もが知る通り。「演奏しながら歌って踊る」がコンセプトのダンスロックバンド「DISH//」の活動も並行して行っており、直近では人気シンガーソングライターのあいみょんが作詞作曲を手掛けた「猫」が、大いに話題を集めた。



現在では、なんと6本以上の新作映画が待機中。その半分以上で主演を務めており、改めて彼の時代が到来したことを印象付ける。今回は、そんな北村が出演してきた映画の中から、5本を厳選して取り上げていく。


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1.『ディストラクション・ベイビーズ』(16) 監督:真利子哲也 108分


岡田将生・松坂桃李・柳楽優弥が共演したドラマ『ゆとりですがなにか』(16)では、松坂演じる教師の恋敵でキレやすい大学生を演じ、多部未華子が若返った老女に扮した映画『あやしい彼女』(16)では奇抜メイクのデスメタル系バンドで活動する孫役と、どんどん役柄が広がっていった印象の北村。


同年に出演した『ディストラクション・ベイビーズ』は、彼のキャリアの中でもかなり珍しい異色作となった。のちにドラマ・映画『宮本から君へ』(18・19)を手掛ける鬼才・真利子哲也監督の名を知らしめた強烈な怪作で、柳楽優弥演じる暴力的な男と、彼に魅せられた高校生(菅田将暉)、誘拐されたキャバクラ嬢(小松奈々)の旅をつづる。


とにかくバイオレンス描写が苛烈な一作で、「殴る」「蹴る」→「流血する」といった描写が生々しく活写される。“暴力の権化”と化した柳楽の怪物感と、自ら狂気に飛び込もうとする菅田の危うさがギラギラと光り続ける問題作といえよう。菅田演じる高校生が、商店街で女性に危害を加えたり、柳楽が血を流しながら相手を殴り続けるというショッキングなシーンも多々見られる。


本作で北村が演じたのは、柳楽扮する主人公の弟(村上虹郎)の友人。いわば菅田が演じた高校生の予備軍的ポジションで、スケボーを駆って商店街をたむろし、女子をナンパし、小松演じるキャバ嬢の万引き現場を目撃したことから、彼女をゆすろうとする。刹那的に快楽をむさぼろうとする、倫理観や道徳心が欠けた危険なキャラクターだ。劇中では、喧嘩シーンにも挑戦している。


クールで内向的な役どころに定評のある北村だが、本作で見せる悪漢ぶりは、今となってはかなり新鮮に映るのではないか。貴重な汚れ役を、目に焼き付けていただきたい。


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