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ロバート・パティンソンの奇妙な冒険。異才が際立つエッジーな出演作7選

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ロバート・パティンソンの奇妙な冒険。異才が際立つエッジーな出演作7選

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7.『悪魔はいつもそこに』(20) 監督:アントニオ・カンポス 138分


TENET テネット』の日本公開と同時期にNetflixで配信開始されたオリジナル映画。ジェイク・ギレンホール率いる制作会社「ナイン・ストーリーズ・プロダクション」の手腕もあってか、キャストが異常に豪華。


パティンソンに加え、新スパイダーマン役でおなじみトム・ホランド、『IT』シリーズのペニーワイズ役でブレイクしたビル・スカルスガルド、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)のライリー・キーオ、『ゼロ・ダーク・サーティ』(12)のジェイソン・クラーク、『キャプテン・アメリカ』シリーズのバッキー役で知られるセバスチャン・スタン、『マグニフィセント・セブン』(16)のヘイリー・ベネット、ミア・ワシコウスカといったスターたちが集結した。


だがしかし、物語の内容は相当ハードで救いがない「鬱展開」「胸糞映画」になっており、前情報なしに観るとかなり衝撃を受けるだろう。テーマは信仰と人間の罪。妻の死を受け入れられず信仰にのめりこむ男、“神との対話”にはまりすぎて妻を殺害する夫、自らの「芸術」のために人を殺害し続ける男など、人間性の向こう側に足を踏み入れてしまった人々の業が、手加減なしの描写で見せつけられる。


パティンソンが演じたキャラクターもかなりの悪漢で、聖職者でありながら色情魔であり、町の女性に次々と手を出すという救いようがない男。彼の乱れた行動はホランド演じる主人公の恨みを買い、対決する羽目になっていく。完全な悪役でありながら、怪しげな魅力を振りまけているのは、パティンソンがこれまでの出演作で培ってきた経験値が故だろう。


余談だが、パティンソンとワシコウスカは共演作も多く(『悪魔はいつもそこに』では共演シーンはないが)、西部劇コメディ『Damsel』(18)でも共演している。



このように、パティンソンのフィルモグラフィを振り返ってみると、作家性の強い作品がひしめいている。『ウィッチ』(15)のロバート・エガース監督によるA24配給作『The Lighthouse』(19)や、Netflixオリジナル映画『キング』(19)でも、怪演を見せつけており、いまやもう立派な「個性派俳優」のカテゴリに入るだろう。一方で、ディオールのCMなどにも出演し、二枚目俳優としての役割もきっちりとこなしているから恐れ入る。これこそが、ロバート・パティンソンの“強さ”といえるのではないか。




クセの強いクリエイターたちに負けない存在感を放ち続けてきた彼が、バットマン役でどのような“新しさ”を見せてくれるのか。今後の出演作への期待とともに、見届けていきたい。



文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema

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