何か変化があれば嬉しい
Q:個人的にこの映画の好きなところは、熱いカタルシスがあるところです。鬱々とした青春ドラマで終わらず、きっちりエンターテインメントに振り切っている。そこがとても好きですね。一映画ファンとしてもすごく楽しめました。最後になりますが、これから映画をご覧になるみなさんに、メッセージをお願いします。
内山:多くの方に観てもらえる作品を作るべく、所謂エンターテインメントと呼ばれるものからは逃げないって最初から決めていました。僕はいつも、映画の最後は観た人それぞれの解釈の中で、少しだけでも希望のラストになるようにしていて、映画館を出た後の景色がいつもと違って見えるとか、ポスターが味わい深く変わって見えるとか、そういう変化をもたらすことが出来ればいいなと思っています。観た人が、何かを持ち帰ってくれて、明日からの人生が1ミリでも変わるのであれば、その助けになるような映画を作りたいですね。
今この時代に『佐々木、イン、マイマイン』を上映することは、とても大きな意味があるのではないかなと。時代と僕らの思いが重なって、お客さんに何か届けることが出来ることを願っています。
細川:「いい映画だったね」で終わってしまうのではなく、「こんな面白いものがあるんだったら、自分たちもやれるよな」って、前向きになって欲しくてこの映画を作りました。映画を観て希望を持ってくれると嬉しいですね。
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監督:内山 拓也
1992年5月30日生まれ。新潟県出身。文化服装学院に入学。在学当初からスタイリストとして活動するが、経験過程で映画に触れ、その後、監督・中野量太(「浅田家!」「湯を沸かすほどの熱い愛」など)を師事。23歳で初監督作「ヴァニタス」を制作。同作品で初の長編にしてPFFアワード2016 観客賞、香港国際映画祭出品、批評家連盟賞ノミネート。近年は、King Gnuなどのミュージックビデオや広告を手掛け、中編映画「青い、森」が11月6日より全国順次公開中。
細川 岳
1992年8月26日生まれ。大阪府出身。主な出演作に『ガンバレとかうるせえ』 ('14/佐藤快磨監督)、『ヴァニタス』('16/内山拓也監督)、『君が世界のはじまり』 (20/ふくだももこ監督)、『ソワレ』 (20/外山文治監督)などがある。 『愛うつつ』(葉名恒星監督)、『無頼』(井筒和幸監督)などが公開待機中。
取材・文: 香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
『佐々木、イン、マイマイン』
2020 年 11 月 27 日(金)より新宿武蔵野館ほか全国公開
配給:パルコ
© 「佐々木、イン、マイマイン」