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『半径1メートルの君~上を向いて歩こう~』吉本興業・神夏磯秀プロデューサーが語る、コロナ禍での映画製作、その新たな可能性【CINEMORE ACADEMY Vol.15】

『半径1メートルの君~上を向いて歩こう~』吉本興業・神夏磯秀プロデューサーが語る、コロナ禍での映画製作、その新たな可能性【CINEMORE ACADEMY Vol.15】

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芸人が持つ寄席の感覚とオムニバス映画の親和性



Q:放送作家の高須光聖さんが脚本を担当された『やさしい人』(出演:倉科カナ/徳井義実)が特に印象的でした。終わり方も含めて、オムニバス映画でなければ成立しえない世界ですね。


神夏磯:高須さんがああいうテイストの作品を書いてこられるというのは僕も意外でしたし、トップクリエイターの方の手数の多さと懐の深さはやっぱり凄いなぁと感服させていただきました。


Q:品川監督の『戦湯~SENTO~』(出演:般若/秋山竜次)は一番コメディ色が強い作品で、楽しいですね。


神夏磯:品川さんは、映画監督としてプロフェッショナルなので、「今回はどのポイントで勝負しようか?どこで一番遊ぼうか?」というイメージが自分の中で明確になった上でオファーを引き受けてくれたんだと思います。「このポイントで10分間面白く遊べるな」というビジョンを最初から明確に持たれていたと思います。


Q:プロデューサーとして特に印象に残ったエピソードはありますか?


神夏磯:全ての作品が、「こんなに統一性がないの?」と思うぐらいの個性が爆発していて面白いです。オムニバス映画というシステムをフルに活かしきったかなと。今回、初脚本・初監督の粗品監督の才能にはシビれました。これからの日本のエンターテインメント界を牽引していく人物だと思います。



©「半径1メートルの君~上を向いて歩こう~」製作委員会


Q:粗品さんは編集作業も今回が初だと思いますが?


神夏磯:映画の編集作業は初めての経験だと思いますが、そこに何の迷いも戸惑いも感じられませんでした。「面白いモノを作る」という土俵が、漫才やお笑いから映画に移っただけで、きっと何ら変わりはないんだろうなぁ、と思いました。オムニバスとして前の作品からどういう流れで自分の作品につながるのか、どういった形で次の作品にパスをするのか、それによって自分の作品のエンディングをどう仕上げるのか、想像でしかないですが、そのぐらいまで考えていたんじゃないかなぁと思います。


Q:そのお話を聞くと、寄席を連想します。前後の芸人さんのネタとのバランスを考えながら、自分のネタを調整しているような感覚なんでしょうか。


神夏磯:そうだと思います。今回、「半径1メートルの君」という劇場の中で、個性強めの8組のコンビが、同じ日の出番の他出演者のネタもちょっと気にしながら、でも結局は、自分たちが一番面白いと思うことをやるんだ、と言わんばかりに、各々面白いパフォーマンスをしてくれた、という感じだと思います。




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