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『ライトハウス』ロバート・エガース監督 小学生で怪奇映画に没頭。A24が惚れた鬼才の“原点”【Director’s Interview Vol.125】

(C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.

『ライトハウス』ロバート・エガース監督 小学生で怪奇映画に没頭。A24が惚れた鬼才の“原点”【Director’s Interview Vol.125】

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世界を再解釈するのが、自分のスタイル



Q:もうひとつ伺いたかったのは、エガース監督が時代物を撮り続けていることです。初期作『Hansel & Gretel』(07)から公開待機作『The Northman』(22)まで、一貫して時代物の要素が入っていますよね。


エガース:そうですね。様々な理由から現代劇より時代劇のほうが自分には合っていると考えているのですが、大きいのは「我々はどこから来て、どこに行くのか」を探りたいという個人的な欲求です。同時に、世界を作り上げることが楽しいんですよね。作り上げるというか、「作り直す」と言ったほうが正しいかもしれません。もちろん制限はありますが、僕なりの古い時代の解釈を行うのが好きなんです。


ずっとやってきていることもあって、僕の協力者たちも「この監督はこういう解釈をする」ということがわかってきて、新たに作品を作る際にもどんどん効率的かつ明瞭に決断できるようになってきました。『ライトハウス』に関していうと、準備期間がすごく短かったんです。ただ、本作の舞台は17世紀が舞台の『ウィッチ』とは違い、写真が誕生した後の19世紀末なので、資料探しはより簡単でした。灯台守の人々が住んでいた部屋の様子など、実際に写真が残っているわけですから。



『ライトハウス』(C)2019 A24 Films LLC. All Rights Reserved.


Q:確かに。一口に「時代物」といっても、どの時代を描くかで労力が変わりますね……。


エガース:いま取り組んでいる『The Northman』は、1000年以上前のバイキングを描くものなので、ビジュアルの記録が全然ないんですよ。あったとしてもバイキングが描いた落書きのようなものしかなく、非常に抽象的で、様式化されている。ちゃんとした記録があるのは、200年後くらいになってしまうんです。ただそのぶん、良くも悪くも「想像して、解釈する余地」がたくさんあるともいえますね。





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