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『初情事まであと1時間』橋口亮輔監督が手がける、橋口テイストに溢れたドラマ【Director’s Interview Vol.135】

『初情事まであと1時間』橋口亮輔監督が手がける、橋口テイストに溢れたドラマ【Director’s Interview Vol.135】

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あえて避けた、男女の密室劇



Q:今回の脚本は、原作に基づいているものと完全オリジナルとがあるそうですが。


橋口:三浦監督は原作に基づいていると聞きましたが、僕は全部オリジナルです。今回は、大九監督や谷口監督、三浦監督も含めて、みなさんオリジナルが書ける方たちにお声がけされています。


Q:タイトルの『初情事まであと1時間』が、まさに脚本のルールだと思いますが、それ以外に何かルールはあったのでしょうか。


橋口:ルールは「初情事まであと1時間」だけでした。それだけ守ってもらえれば、それ以外は何をやっても大丈夫でしたね。ただこのルールだと、男女二人の密室劇になるエピソードが多いかなと思ったので、集団劇でバラエティ感のある脚本を書きました。これは経験からですが、男女二人になるとシリアス方向に転ぶことが多いんですよ。でもそればかり観ていても視聴者も疲れるだろうから、なるべく僕はコメディタッチの軽いものを担当しようと思ったんです。男女二人がラブホや密室にこもって、やるのやらないのと言っているのが毎週続くと、さすがに視聴者は飽きるかなと。



『初情事まであと1時間』©「初情事まであと1時間」製作委員会


Q:出来上がったドラマは、橋口テイストに満ち溢れていました。普段映画を作っている時と今回のドラマ制作で、何か違いはありましたか?


橋口:深夜枠や配信のドラマを何となく観ちゃった。というくらいの“軽さ”がいいんだろうなと思ったんです。肩が凝らずに観れて、ちょっとエッチでドキッとする面白さ。ただそうなると、人物の内面や心理、あるいは人物の背景とか、そういうのは余計になってくるんですよ。映画と違って、それを持ち込むと20分で描ききれない。あまり重くなり過ぎると、エッチまでたどり着かないんですよね(笑)。


「一齣(ひとくさり)の挿話」とでも言いましょうか、一息で見せるのがいいのだろうと。ただ作った後で見返すと、「人物の踏み込みが一歩足りないな」と思ってしまった部分は正直あるんです。でもそこを踏み込むとドラマが重くなってしまう。だから何とか踏みとどまって、脚本を書いた感じですね。




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