描かれたのは、相手を受け入れるということ
Q:今回の作品から受け取れるメッセージはどんなものでしたか。
志田:この映画には、相手の意見を否定する人がいなくて、相手の意見をしっかり尊重してくれる人ばかりが出てきます。みんな、自分の気持ちは伝えつつも、相手が伝えてくれた言葉をちゃんと自分の中に落とし込んでいる。父と陽、陸と陽と、それぞれお互いを尊重し合っています。そういう関係ってすごく素敵だなと思いました。
『かそけきサンカヨウ』© 2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
井浦:相手を許して受け入れていこうとする人間たちを描く。それが今泉監督の映画づくりの根本にあると思います。それが描かれているからこそ、今泉作品から優しさや柔らかさを感じるんです。親子や友達、恋人でも、そうやって許して受け入れ合いながら、人は人と関わって生きて行く。それを瑞々しく染み込むように伝えてくれる。そんなメッセージがある映画になっています。
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志田彩良
1999年7月28日生まれ、神奈川県出身。小学校6年生のときにスカウトされ、「ピチレモン」専属モデルとして活動し、2014年、短編映画『サルビア』(西中拓史監督)で初主演を飾り、2017年には『ひかりのたび』(澤田サンダー監督)で長編映画初主演に抜擢される。テレビドラマでは「チア☆ダン」(18/TBS)、「ゆるキャン△」シリーズ(20/TX)などに出演し、「ドラゴン桜」(21/TBS)の出演も記憶に新しい。ドラマ、映画、CMと作品ごとに違う顔を見せる。今泉監督作品には『パンとバスと2度目のハツコイ』(18)以来、「his ~恋するつもりなんてなかった~」(19/メ~テレ)、『mellow』(20)と立て続けに出演し、本作で初主演を飾る。
井浦新
1974年9月15日生まれ、東京都出身。99年、『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)の主演で俳優デビュー後、映画、テレビドラマなどで幅広く活動。『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12/若松孝二監督)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞など俳優として稀有な存在感を示す。主な映画出演作に、『止められるか、俺たちを』(18/白石和彌監督)、『赤い雪 Red Snow』(19/甲斐さやか監督)、『宮本から君へ』(19/真利子哲也監督)、『朝が来る』(20/河瀨直美監督)があり、21年のテレビドラマ「最愛」(TBS)に出演する。アパレルブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY』のディレクターを務めるほか、⽇本の伝統⽂化の繋げ拡げていく活動を⾏なっている。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
『かそけきサンカヨウ』
10月15日(金)よりテアトル新宿ほか全国ロードショー
配給:イオンエンターテイメント
© 2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会