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『アイネクライネナハトムジーク』が奏でる、小説・音楽・映画の幸福な“出会い”

『アイネクライネナハトムジーク』が奏でる、小説・音楽・映画の幸福な“出会い”


 映画『アイネクライネナハトムジーク』は、二重の意味で“出会い”に満ちた作品と言えるだろう。第一に、複数の男女の出会いを描く群像劇であること。第二に、気鋭のクリエイターたちの稀有な“出会い”とコラボレーションの積み重ねで映画化に至ったという背景があるからだ。


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伊坂幸太郎×斉藤和義のコラボから生まれた連作短編集



 個性的で人間味あふれるキャラクターの造形、伏線を鮮やかに回収する謎解き、豊かなユーモアセンスで、ミステリーファンを中心に幅広い読者層から愛されるベストセラー作家、伊坂幸太郎。本好きのみならず、多くの映画ファンからも知られているのはもちろん、『アヒルと鴨のコインロッカー』(07)『フィッシュストーリー』(09)『ゴールデンスランバー』(10)『ポテチ』(12)を含む10作以上が映画化されているからだ(なお、ここで挙げた映画4本はすべて中村義洋監督作で、後述する株式会社ダブの制作でもある)。


 ミステリーの名手として定評ある伊坂にとって、初にして唯一の恋愛小説集である『アイネクライネナハトムジーク』は、かなり特殊な成立過程をたどった。同書のあとがきによると、シンガーソングライターの斉藤和義から「恋愛をテーマにしたアルバムを作るので、『出会い』にあたる曲の歌詞を書いてくれないか」と依頼されたのがはじまりだという。




 斉藤の大ファンでもある伊坂は、作詞はできないが小説ならと、最初の短編「アイネクライネ」を書き下ろした。斉藤はこの短編の文章を詞に使い、『ベリーベリーストロング ~アイネクライネ~』という曲を作る(2007年発表のアルバム『紅盤』に収録)。同曲がシングルカットされることになり、その初回限定盤の付録用に、伊坂は第2の短編「ライトヘビー」を書く。


 伊坂はその後、これら2編に登場する人物たちに、新たなキャラクターもからんでくる3編を執筆。さらに短編集の刊行にあたり「ナハトムジーク」を書き下ろし、これら6編をまとめた『アイネクライネナハトムジーク』を2014年に発表したのだった。



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