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映画監督と撮影監督、そして先駆者たち ~メディアを超える映画監督~ 大根仁×吉田大八イベントレポート Vol.2(全2回)【CINEMORE ACADEMY Vol.23】

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撮影監督:近藤龍人



Q:『桐島、部活やめるってよ』の撮影監督・近藤龍人さんについて、大根さんが絶賛されていたのを以前雑誌で読みました。ぜひ近藤さんのお話も聞かせてください。


吉田:大根さんは、近藤龍人さんとCMをやってるんですか?


大根:キリン一番搾りのCMをやりました。いつか近藤くんとやりたいとずっと思っていて、この題材だったらいいなと思っている作品もあるんですよ。


吉田:近藤さんは人気ありますね。


大根:そうですね。山下敦弘監督にも吉田さんにも聞きましたが、近藤さんって、ロケ場所を見つけて来てくれるんですよね。


吉田:見つけて来てくれるというか、ロケハンのときの立ち位置から独特ですね。カメラポジションを決めるときに、コンテを描いた自分が大体このへんだろうなと思って待っていても、近藤さんはなかなかこっちに近づいて来ない。何回も呼ぶと一応来るんですけど、別の場所が気になってしょうがないみたいなんですよ。で、実際にそっち行って見てみると確かに良い。


例えるなら、俯瞰視野を持ったサッカー選手が誰よりも早くパスコースを見つける感覚に近いのかも。


大根:CMをやったときも、コンテにない画を勝手に撮っていましたね。そしてそれがまた良いんですよ。


吉田:基本、監督をそんなに信じてないです(笑)。


大根:映画の基盤となるプロデュース・演出・キャストという3要素は重要だと思うんですが、その3要素はおそらく足し算でしかないんですよ。作品をより芳醇に、“映画そのもの”にするにはスタッフの力というのが一番大きい。スタッフの力でやっと掛け算になって何倍にでも膨らんでいく感じがします。映画は特にそうですね。


吉田:なんでいつも近藤さんの話になるのか、悔しいですよね(笑)。前に山下さんと映画のアフタートークをしたときも、気付いたらずっと近藤さんの話してました(笑)。


大根:近藤さんは見た目の雰囲気も何だか放ってはおけない感じがありますね。それでいて、「この人に任せておけば全部大丈夫」って思わせてくれるというか。


吉田:確かに。


大根:是枝裕和さんも『万引き家族』(18)の撮影で、途中から自分でカットを割るのを止めたと言ってました。近藤さんのアングルの方がいいから。


吉田:近藤さんのチーフだった鎌苅洋一さんもすごく優秀なカメラマンで、今売れてます。新しい名前も挙げてバランスを取らないと(笑)。




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