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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』本来の居場所=映画館に帰ってきたテレビドラマ

(c)Rockwell Eyes Inc.

『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』本来の居場所=映画館に帰ってきたテレビドラマ

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『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』あらすじ

小学生の典道(山崎裕太)と祐介(反田孝幸)たち男子5人は、花火を横から見ると丸いのか、平べったいのかという素朴な疑問を抱き、花火大会の夜、その答えを確かめるべく町のはずれにある灯台に行くことを計画する。同じ日、両親の離婚で転校することが決まっていたなずな(奥菜恵)は、プールで競う典道と祐介、どちらかの勝者と駆け落ちすることを企てる。少年と少女の、淡くも瑞々しい恋を懸けた勝負の行方が、ふたつの異なる結末へと昇華する。


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劇場公開されたテレビドラマたち



 配信が普及した現在でも、基本的に映画は、劇場公開→ソフト化・配信→テレビ放送という流れになるため、最も視聴者の目にふれるテレビドラマを劇場公開したところで、観客が劇場に足を運ぶことはないと思いそうになるが、拡大公開は難しくても、ミニシアターならクオリティの高い作品を改めて劇場公開すると意外なヒットを見せることがある。近年では、阪神・淡路大震災から15年後の神戸を舞台に、NHKが23時から放送したドラマ『その街のこども』(10年)が大きな反響を呼んだことから、カットシーンが追加されて劇場公開された。


 海外のテレビ映画として製作された作品を、日本では映画として劇場公開する場合もある。スティーヴン・スピルバーグ監督の映画デビュー作は、日本では『激突!』(71年)だが、アメリカでは『続・激突!/カージャック』(74年)がデビュー作。


 『激突!』は元々、アメリカのABCテレビの番組「ムービー・オブ・ザ・ウィーク」の1本として放送されたもの。高視聴率を獲得し、評価の高さから日本とヨーロッパでは劇場公開されることになり、その後、本来のデビュー作『The Sugarland Express』の邦題が、あたかも続編のように『続・激突!』とされてしまったものの、内容は無関係。


 こうしたテレビドラマが劇場公開される作品は少なくないが、まるで映画に呼ばれるように、テレビから映画館に流れ着いた作品が、岩井俊二監督の『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』(93年)だ。



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