(C)Haversack Films Limited 2021
『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』ジョン・マッデン監督 サスペンスと人間ドラマが共存しているところが面白い【Director’s Interview Vol.184】
キャラクター/サプライズ/トーン/コントラスト
Q：物語は抑制されたトーンで始まり、派手なアクションやサスペンスに頼らずとも、スクリーンに引き込まれ、大きな映画的カタルシスを感じさせてくれます。これはジョン・マッデン監督の作品に共通するかもしれませんが、その演出の秘訣はどこにあるのでしょう。
マッデン：そうですね。次のようなポイントを私は監督として大事にしていて、今回の映画でも実践しました。
キャラクター
どんな映画でもキャラクターは重要です。ストーリーを推進させるのはキャラクターなんです。観客が物語に入り込めるようにキャラクターを活用することが、映画監督の仕事です。
サプライズ
観客の足元をすくうのが好きなんです。実際の人生で足元をすくわれるのは嫌ですが、映画館で映画を見ながら足元をすくわれることは、素晴らしい映画的体験になります。予測していないサプライズは、物語を楽しむためには欠かせません。
『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』(C)Haversack Films Limited 2021
変化するトーン
笑えるところもあればシリアスでもある。その両方を一度に感じる体験は、観客をより物語に入り込ませる。トーンやムードが変化していく点も大事ですね。物語の最初と最後で全然違うところに着地しているような映画が、とても好きなんです。
コントラスト
本作では、全世界で起きている戦争という大きな状況の中、小さく静かな部屋で計画が進められます。こういった「対比」も意識したポイントですね。
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