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『つぐない』の伝説的ワンカット撮影が描き出す5分6秒の内面世界

『つぐない』の伝説的ワンカット撮影が描き出す5分6秒の内面世界


※本記事は物語の核心に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


Index


文芸ロマンを超えて突き刺さる奥深いテーマ性



 『つぐない』は2007年に公開され、米アカデミー賞で作品賞を含む7部門にノミネート(作曲賞を受賞)された作品だ。本作の可憐な演技で助演女優賞にノミネートされたシアーシャ・ローナンが、今や『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(18)ではスコットランドの悲劇の女王メアリーを演じるまでになったことを考えると、この10年の月日の流れに感慨深さを覚える。


 2001年、原作小説がベストセラーとなった時、人々は口々に「この作品はとても映画向きだ」と語ったという。確かに本作のうねりは凄い。物語の入口こそ上質な文芸モノのようでありながら、しかしその展開は人の心を震わせるほどの衝撃でもって、単なるラブストーリーの範疇を超えた奥深いテーマ性を発露させていく。



Film (C) 2007 Universal Studios. All Rights Reserved. 


 そして、すでにご覧の方は十分お分かりのように、本作は「ひとつの秘密/仕掛け」を持った作品でもある。これをどう脚色するかは極めて悩ましいところ。その点、最初に『アイリス』のリチャード・エアー監督が企画していた頃の脚本は今と全く異なり、小説は小説、映画は映画としての独自性を強めたものだったといわれる。


 新たにジョー・ライト監督の登板が決まった時、彼は「このままの脚本ではダメだ」と結論づけた。そこで再度、原作のエッセンスへと立ち戻り、どこが素晴らしいのか、どこを生かしたいのかを明確に定めた上で、脚本家のクリストファー・ハンプトンと共に、できるだけ原作のタッチを生かした形を模索していったという。



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