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『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』ジョン・マッデン監督 サスペンスと人間ドラマが共存しているところが面白い【Director’s Interview Vol.184】

(C)Haversack Films Limited 2021

『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』ジョン・マッデン監督 サスペンスと人間ドラマが共存しているところが面白い【Director’s Interview Vol.184】

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感情がストーリーを推進する



Q:モンタギュー少佐(コリン・ファース)とチャムリー大尉(マシュー・マクファディン)の関係性を軸に、周囲の人々を含めた人間ドラマに引き込まれます。ジーン(ケリー・マクドナルド )とヘスター(ペネロープ・ウィルトン)がチームの要として機能していくのも興味深く、特にヘスターのキャラクターは魅力的でした。 


マッデン:ヘスターに注目してくれるのは嬉しいですね。演じたペネロープ・ウィルトンは人柄も良く、役者としても素晴らしい方。天才と言ってもいいくらいです。ヘスターという役はペネロープを意識してキャラクターを作りましたし、彼女以外にヘスター役は考えられませんでした。


ヘスターは観客と同じ視点を持っていて、この映画のガイドともいえる存在です。映画の中で皆が集まって作戦を練る部屋がありますが、その美術デザインの際に最初に決めたのは、ヘスターの座る位置でした。あの部屋で起きていることは、全て彼女を中心に回っている。それくらい重要な役どころでした。


また、ヘスターという女性の視点で、物語を掘り下げられたことが、映画をより豊かにしてくれたと思います。



『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』(C)Haversack Films Limited 2021


Q:妻子のいるモンタギュー、母親と暮らすチャムリー、夫を戦争で亡くしたジーン、未婚のヘスターと、家族のあり方が違う四人が集うことも興味深く、更なるドラマを生み出します。この相関図は脚本段階で決まっていたのでしょうか。 


マッデン:実話がベースにあるので、家族構成も事実に即してはいますが、一部脚色を加えたところもあります。先ほどもお話しした通り、この映画は戦争サスペンスにとどまらず、登場人物たちの感情面の物語が並行して展開している。その二つが交錯するところが面白いんです。


映画の中では、恋愛を匂わせるような場面も出てきますが、そこを詮索するような感情こそが、ストーリーを推進していくわけです。そこを意識してキャラクターの相関関係を築いていきました。



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監督:ジョン・マッデン

1949年4月8日生まれ イギリス・ポーツマス出身。93年、リーアム・ニーソンとパトリシア・アークエット出演の『哀愁のメモワール』で長編映画初監督。97年に監督を務めた、ジュディ・デンチ主演『Queen Victoria 至上の恋』がアカデミー賞®主演女優賞など2部門ノミネート、英国アカデミー賞では作品賞他8部門にノミネートされ、主演女優賞他2部門を受賞。98年の監督作『恋におちたシェイクスピア』では、アカデミー賞®作品賞他7部門、ゴールデン・グローブ作品賞(コメディ/ミュージカル部門)他3部門、英国アカデミー賞作品賞他4部門など多くの賞を受賞している。 <その他の代表作>『コレリ大尉のマンドリン』(01)『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(05)『キルショット』(08)『ペイド・バック』(10)『マリーゴールド・ホテルで会いましょう』(11)『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』(15)『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』(16)『女神の見えざる手』(16)



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。




『オペレーション・ミンスミート ―ナチを欺いた死体―』

TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開中 

配給: ギャガ  (C)Haversack Films Limited 2021

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