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『こちらあみ子』森井勇佑監督 芝居をせずに「ただ、話す」【Director’s Interview Vol.222】

『こちらあみ子』森井勇佑監督 芝居をせずに「ただ、話す」【Director’s Interview Vol.222】

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「世界」を構築すること、それも映画監督の仕事の一つだろう。映画『こちらあみ子』で監督デビューした森井勇佑。彼が手がけた世界には、不思議な心地良さがありつつも目の覚めるような現実も確実に存在する。一体どうすれば本作のような世界を築き上げることが出来るのか?


鮮烈な印象でスクリーンに焼き付く演技経験のない子どもたち。この世界の住人として存在しつつ、現実をも担う父親役の井浦新。撮影監督の岩永洋が創り出す豊潤で奥行きのあるヨーロピアンビスタ。これら全てをマエストロのように自在に操り、『こちらあみ子』という世界を作り上げた森井監督の手腕は、もはや新人監督の域を優に超えている。


森井監督は如何にして、そして何を思いこの世界を作り上げたのか? 監督本人に話を伺った。



『こちらあみ子』あらすじ

あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。


Index


原作は今村夏子のデビュー作



Q:原作は、芥川賞作家である今村夏子さんのデビュー作ですが、映画化の許諾はスムーズでしたか?


森井:こちらからプロットを出して、それに対して「これで進めてください」とメールで返事をいただきました。スムーズだったと思います。


Q:映画には原作に無いオリジナルシーンが出てきますが、それもプロットの段階で入っていたのでしょうか?

 

森井:プロットの段階では盛り込んでいません。脚本にするときに結局変わっちゃうので、プロットはあまりあてになりません(笑)。小説を映画にする上で「こういう感じにします」という、宣言みたいなものだと思います。



『こちらあみ子』©2022『こちらあみ子』フィルムパートナーズ


Q:ではオリジナルシーンは脚本段階で追加されたと。


森井:そうですね。その(オリジナル)シーンも入れ込んだ初稿を今村さんに読んでもらいました。それでまた「これで進めてください」とお返事をいただきました。いつも言葉少なめでした(笑)。まだお会いしたことはないんです。メールのやり取りもプロデューサーがしていて、その転送を読んでいました。


Q:今村さんは完成された映画はご覧になったのですか?


森井:観ていただいて、すごく素敵な感想を書いていただきました。それはパンフレットに載る予定です。




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