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『長崎の郵便配達』川瀬美香監督 死者とのコミュニケーションを通し未来を見つめるドキュメンタリー【Director’s Interview Vol.226】

© The Postman from Nagasaki Film Partners

『長崎の郵便配達』川瀬美香監督 死者とのコミュニケーションを通し未来を見つめるドキュメンタリー【Director’s Interview Vol.226】

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ただ自転車と立っている少年が欲しい



Q:現在の長崎の風景に、谷口さんをイメージさせる自転車の少年が入り込んでくるシーンがあります。あの表現はとても印象的でした。


川瀬:あれは成立するかどうか分からないけど挑戦しました。この物語の主役であるピーターさんと谷口さんは既に亡くなっている。だから今の長崎と当時の長崎をコネクトするものって何かと考えた時に、あれが思い浮かんだんです。でも、自転車の少年を谷口さんと想定してるわけではありません。ただ自転車とともに立ってるだけの子が欲しいと。しかも、それは長崎の子じゃなきゃダメだと思いました。再現シーンではないので、特に演技をするわけでもない。今の長崎に昔風の少年がいるということだけを崩さずに撮りました。今でも効果的だったかどうかは確信がないです(笑)。



『長崎の郵便配達』© 坂本肖美


Q:非常に効果的だったと思います。監督が言うように、少年に変に演技をさせたりしないのが良かったと思います。


川瀬:ただ綺麗に立っていられる子を探したんです。普通に立っているって実は難しい。そんな風に立っていられる子がいたので、お願いしました。。


Q:原作のタイトルは「THE POSTMAN OF NAGASAKI」ですが映画の英語タイトルは「THE POSTMAN FROM NAGASAKI」になっていますね。


川瀬:私としては長崎で実際にあったことを、「長崎から」今生きてる人たちに知ってほしいという意味で「FROM」がぴったりなんじゃないかと思いました。タイトルを「OF」から「FROM」に変更することに関しては、ピーターさんのご家族とも相談しました。「映画を見た人にピーターさんと谷口さんの想いをより一層届けられるという視点なら、FROMもありだね」と、みんなで考えて決まりました。



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監督・撮影:川瀬美香

広告制作会社、米ブロードキャストを経て独立。仲間とART TRUE FILMを立ち上げる。長編映画に『紫』(12)、『あめつちの日々』(15)など。



取材・文:稲垣哲也 

TVディレクター。マンガや映画のクリエイターの妄執を描くドキュメンタリー企画の実現が個人的テーマ。過去に演出した番組には『劇画ゴッドファーザー マンガに革命を起こした男』(WOWOW)『たけし誕生 オイラの師匠と浅草』(NHK)『師弟物語~人生を変えた出会い~【田中将大×野村克也】』(NHK BSプレミアム)




『長崎の郵便配達』

8月5日(金)シネスイッチ銀座ほか全国公開

配給:ロングライド

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