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『フラッグ・デイ 父を想う日』ショーン・ペン監督 鑑賞後の映画は観客のもの【Director’s Interview Vol.273】

© 2021 VOCO Products, LLC

『フラッグ・デイ 父を想う日』ショーン・ペン監督 鑑賞後の映画は観客のもの【Director’s Interview Vol.273】

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16mmフィルムがもたらすもの



Q:映像も音楽もとても詩的でした。それはストーリーにおいてどれくらい重要だと考えていますか?


ショーン:どちらもすごく重要なものだよ。僕は音楽が好きで映画の中の歌も好き。歌がストーリーを表すというスタイルが好きなんだ。僕の10歳から20歳は、ちょうど1970年から1980年。だから不思議はないはずだ。その頃は映画の歴史の中でもっとも豊かな時代で、僕が好きだった映画は、歌がストーリーを補足するものが多かった。ハル・アシュビーやマイク・ニコルズなどがその手法をよく使っていて、それが僕の映画愛の引き金になった。そういう経緯があるから、自分がその手法にこだわるのは驚くことではないよね。



『フラッグ・デイ 父を想う日』© 2021 VOCO Products, LLC


以前、監督としてデジタル撮影で映画を1本撮ったことがあるんだけど、そのときは後悔したよ。味が出なかった。今回、スーパー16ミリで撮影を始めたら、撮影監督のダニー・モダーも僕も他は考えられなくなった。彼は僕の監督・俳優としての重要な要素だったと思うし、すばらしいパートナーなんだ。僕が迷ったときには彼に頼ればよかった。それはすごくありがたいことで、彼は僕がやりたいことを理解してくれていた。そして時に彼の提案によってかなりよくなったところもある。


僕は16ミリフィルムのざらざらしたノイズが好きなんだ。デジタルの画には、人生における時が過ぎゆく感じの美しさが欠けてしまう。だから、僕らはフィルムを使うことにしたんだ。ダニーは躊躇することなく喜んでやってくれた。並外れた光や色、構図のセンスを発揮していたよ。



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監督・主演:ショーン・ペン

1991年、『インディアン・ランナー』で監督デビュー。続く『クロッシング・ガード』(95)では、アンジェリカ・ヒューストンがゴールデングローブ賞、デヴィッド・モースがインディペンデント・スピリット賞にノミネートされる。3作目の『プレッジ』(01)はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に正式出品。オムニバス作品『11’09’’01/セプテンバー11(イレブン)』(02)に参加した後、『イントゥ・ザ・ワイルド』(07)で絶賛され、アカデミー賞®編集賞、ハル・ホルブルックが助演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞最優秀主題歌賞に輝く。その後、ハビエル・バルデム主演で『ラスト・フェイス』(16・未)を監督する。



構成:CINEMORE編集部




『フラッグ・デイ 父を想う日』

12月23日(金)TOHシネマズ シャンテほか全国公開

配給:ショウゲート

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