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『大映4K映画祭』4K修復監修:宮島正弘が語るフィルム修復の醍醐味とは【CINEMORE ACADEMY Vol.24】

『大映4K映画祭』4K修復監修:宮島正弘が語るフィルム修復の醍醐味とは【CINEMORE ACADEMY Vol.24】

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修復する全カットを描き起こす



Q:宮島さんは修復作業において具体的にどのような作業をされているのでしょうか。


宮島:僕がやっているのは最後の10%くらいです。キズやゴミの修復は出来ないので、修復していただいたフィルムの最後の調整を担当しています。修復した作品の全ての現場に行っていたわけではありませんが、その作品を作ったスタッフは皆一緒に仕事をしてきた人たち。「このカメラマンだったら、こういう色味にしているだろう」とそれぞれのスタッフの傾向や“くせ”みたいなものはよく分かるんです。つまり「大映自身の目」となって、オリジナルに近づけて調整するのが僕の役目です。



宮島氏が描き起こしたカット集


その作業をするにあたって、僕はワンカットワンカット全て画に描き起すんです。そうすると描いているうちに「三隅監督はこういうことを狙っているな」とか「宮川さんがこの画を撮ったのはこれが狙いだな」とかが分かるようになる。画に描いて一つ一つ分解して、明るさはどうなっているのか、どこから光を入れているのか等、このメモに描いておけば強調する箇所がわかってくる。


グレーディングの作業自体は1日で終わるのですが、これを描くのには半月くらいかかっています。1本の作品につきノート2冊分、全カット分析するので非常に手間なのですが、これをやることによって自分が迷わず判断できるんです。




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