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『大映4K映画祭』4K修復監修:宮島正弘が語るフィルム修復の醍醐味とは【CINEMORE ACADEMY Vol.24】

『大映4K映画祭』4K修復監修:宮島正弘が語るフィルム修復の醍醐味とは【CINEMORE ACADEMY Vol.24】

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映画監督のマーティン・スコセッシは過去の映画の修復・保存に力を入れており、映画保存団体「フィルム・ファンデーション」を1990年に設立した。同団体では、国・地域を問わず、過去の名作映画を文化遺産として後世に残す活動を進めている。もちろん日本にも多くの名作があるわけだが、『雨月物語』(53)でスコセッシと共に修復に携わった人物がいる。大映出身の撮影監督、宮島正弘氏だ。


この度、1月20日(金)から開催される『大映4K映画祭』では、宮島氏がグレーディング(※色味等映画のルック)を監修した大映の名作映画28作品が公開となる。上映されるのは、4K版初披露となる、増村保造監督・若尾文子主演の『赤い天使』(66)、吉村公三郎監督・山本富士子主演『夜の河』(56)、三隅研次監督・市川雷蔵主演『斬る』(62)『』(64)『剣鬼』(65)『大菩薩峠』シリーズ(60~61)など、ファン垂涎の名作が目白押しだ。


大映時代には巨匠カメラマンの宮川一夫や森田富士郎の助手として働いてきた宮島氏。同氏が間近で体感してきた巨匠たちの画作りが、宮島自身の目を通すことで現代に蘇える。宮島氏は一体どのようにフィルムの修復作業を行なっているのか。話を伺った。


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きっかけはスコセッシとの出会い



Q:宮島さんは、マーティン・スコセッシが設立した映画保存団体「フィルム・ファンデーション」と一緒にフィルムの修復作業をやったこともあるそうですね。


宮島:映画は芸術品、そして日本の文化。フィルムは古くなると使い物にならなくなるので、是非とも保存・修復しておかなければならない。それを会う人会う人に言い続けていたら、縁あってマーティン・スコセッシと会うことが出来たんです。昔『タクシー・ドライバー』(76)を宮川一夫さんたちと一緒に観に行って、夜のニューヨークであれだけの照明をどうやって当てたんだろうと語り合ったことがありました。その話をスコセッシにしたら、盛り上がってしまい彼の下でフィルムの修復をすることになったんです。


それでフィルムファンデーションで『雨月物語』、『山椒大夫』(54)、『近松物語』(54)の修復をやらせてもらいました。修復した映画を観たスコセッシが「新しい画だなぁ。これですよ!」と言ってくれたのがすごく嬉しかったですね。


Q:宮島さんはいつからフィルムの修復・保全をされているのでしょうか。


宮島:約8年前くらいですかね。僕は1966年に大映に入ったのですが、撮影部としてずっと働いていました。宮川一夫さんたちと一緒に仕事をさせてもらって、とても楽しかったですね。50歳を過ぎてからは大阪芸術大学で教えていましたが71歳で退職し、そこからはこの仕事に携わっています。




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