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『タクシー・ドライバー』ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ポール・シュレイダーと70年代、生み出した衝撃※注!ネタバレ含みます。

(c) Getty Images

『タクシー・ドライバー』ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ポール・シュレイダーと70年代、生み出した衝撃※注!ネタバレ含みます。


※本記事は物語の結末に触れているため、映画をご覧になってから読むことをお勧めします。


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70年代に衝撃を与えた歴史的な作品



 マーティン・スコセッシ監督の『タクシー・ドライバー』(76)が日本で公開されてから40年以上が経過している。今では時代を超えた名作の1本と考えられ、数多くの映画に影響を与えてきた。特に70年代にスクリーンで体験した人は、その強烈な印象をけっして忘れることができないだろう。


 ニューヨークの路地のスモークの向こうから、一台のタクシーが現れる冒頭のただならぬ雰囲気。そこから一気に引きつけられ、運転手を演じるトラヴィスの行動に次第にこちらも同化していった。大きな衝撃を残しながら映画は終わるが、どこか不可解な部分があり、起こっていることをはっきり説明できない。現実と幻想が交錯していき、その境界線が分からなくなる。だからこそ、繰り返し見たくなる。そんな不思議な魔力を持った映画だった。この映画にどこかとりつかれ、その世界から出られなくなった人も多かったはずだ(主人公が着ていたアーミー・ジャケットを買ったという人までいた)。



 そして、時は流れていったが、近年、インターネットでこの映画の感想を調べてみたら、驚くようなことが書かれているではないか。「『タクシー・ドライバー』はメンヘラ男の物語」、「主人公はサイコな運転手」、「人を撃った後、主人公は元の仕事に戻るが、こうして野獣は再び街に解き放たれた」。確かに主人公は狂気を抱えていたが、かつて「頭のおかしな男の物語」と思って見に行った人がどのくらいいただろう?


 また、トラヴィスを野獣のような犯罪者と思った人がどれほどいたのだろうか? 封切時に映画館に行った知人たちにこの話をしたら、「え、そんな映画じゃなかったよー」と驚いていた。確かに危険なものをはらんでいたが、それでいて共感できるところもあった。だからこそ、多くの人は長年、“トラヴィス症候群”とでも言うべきものを引きずってきたのではないだろうか。また、最近では大ヒット作『ジョーカー』(19)との共通点をあげる人もいる。監督自身も影響を受けたと語っているが、個人的には根本の部分がまったく異なる作品に思え、そんなところにも映画の見方に対する時代の変化を感じた。


 海外での反響も調べ直してみると、監督のマーティン・スコセッシは『タクシー・ドライバー』以降、数多くの作品を手がけてきたので、そうした作品群との比較もあった。そして、かつては語られなかったことが、いまはひとつの定説となりつつあることも分かった。トラヴィスは最後の襲撃戦で死んでしまった、という説である。映画が作られた70年代と現在の変化を考慮に入れながら、もう一度、この作品と向きあってみたいと思った。



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