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『タクシー・ドライバー』ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ポール・シュレイダーと70年代、生み出した衝撃※注!ネタバレ含みます。

(c) Getty Images

『タクシー・ドライバー』ロバート・デ・ニーロ、マーティン・スコセッシ、ポール・シュレイダーと70年代、生み出した衝撃※注!ネタバレ含みます。


デ・ニーロが本物の運転手になりすまし、リアルなロケが実現



 デ・ニーロがスコセッシ監督と組むのは2本目だった。最初の映画はスコセッシの自伝的な作品、『ミーンストリート』(73)で、彼が育った街ニューヨークのリトル・イタリーが舞台だった。ただし、ロケの大半はロサンゼルスで行われ、ニューヨークでの撮影はわずかだった。そういう意味では、『タクシー・ドライバー』で初めて本格的なニューヨーク・ロケが実現したが、十分な予算がないため、撮影(名手マイケル・チャップマンが担当)は街のネオンサインなどを生かし、当時の風景をそのまま切り取った。


 また、アクターズ・スタジオのメソッド演技で知られるデ・ニーロは、とにかく、リアルな役作りを好み、タクシーの運転手のライセンスも取得して、実際に車を運転した。そして、車を運転してみると、大半の乗客は運転手にはまるで無関心であることに気づき、主人公トラヴィスの気持ちを実感できたという。また、娼婦のポンビキ、スポーツ役のハーベイ・カイテルも実際にポンビキをやっていた男のアドバイスを受けてリアルな役作りに挑んだという。


 主人公のトラヴィスは73年まで海兵隊にいたという設定になっている。ベトナム戦争のことは特に説明されないが、公開時の76年はベトナム戦争の終結(75年)から日が浅かったので、彼が帰還兵であることがすぐに分かる設定となっていた(当時は“ベトナム後遺症もの”の1本として語られることも多かった)。不眠症の彼は金を稼ぐため、運転手に志願する。どんなところにも車を走らせ、人種を問わずに、誰でも乗せる。




 しかし、次第に屈折した感情がふくらんでいく。彼は日記をつけているが、「いつかこの街の雨がこの街のクズどもを洗い流す日が来ることを祈っている」という文章を書く。やがて、パランタインという大統領候補の選挙事務所に勤める美しい女性、ベッツィ(シビル・シェパード)に憧れるようになり、デートにこぎつけるが、ポルノ映画に連れて行ったため、彼女に拒否されるようになる。そして、今度は12歳の娼婦アイリス(ジョディ・フォスター)と出会い、彼女をポンビキのスポーツ(ハーベイ・カイテル)から救い出したいと考える。


 やがて、銃を手にいれたトラヴィスは、ベッツィが支持していたパランタインの暗殺を試みて失敗。次にアイリスが商売をしているホテルを襲撃。3人を射殺して、自身も重傷を負う。その結果、彼は街のヒーロー的な人物となる。そんな彼のところにベッツィが顔を出す。トラヴィスは彼女を家まで車で送り届け、何事もなかったかのように夜の街へと消える。



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