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「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」岡本昌也、成瀬都香、藤本楓、牧大我 ndjcで学んだこととは【Director’s Interview Vol.285】

「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2022」岡本昌也、成瀬都香、藤本楓、牧大我 ndjcで学んだこととは【Director’s Interview Vol.285】

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「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」とは、次代を担う若手映画作家の発掘と育成を目的に、映像産業振興機構(VIPO)が文化庁から委託を受けて運営する人材育成事業。若手映画作家を対象とし、ワークショップや製作実地研修をとおして作家性を磨くために必要な知識や本格的な映像製作技術を継承、上映活動等の作品発表の場を設けて、今後の活動の助力となるよう支援している。


吉野耕平監督、松永大司監督、岨手由貴子監督、中野量太監督など、今第一線で活躍している監督たちも参加していたndjc。2022年度の製作実地研修でも、4人の若手映画作家たちが選ばれ、それぞれ約30分の短編映画を完成させた。今回参加した4人に、ndjcでの研修や映画製作の様子について話を伺った。



※4人が作った作品は以下の通り。


岡本昌也『うつぶせのまま踊りたい』あらすじ

社会に適応しながらも自由を求める山田芽衣子と、自らの過去に囚われながらも自由奔放に生きようとする環七子。定型と自由律、それぞれの方法でここじゃないどこかを目指す二人の「おとなこども」が、詩という共通言語を介して変わってゆく。


成瀬都香『ラ・マヒ』あらすじ

人に嫌われることを恐れ無難に生きてきた荻野愛は、同級生の堂島月子と再会する。愛とは正反対に「自分らしい生き方」を追い求めてきた月子は、現在プロレスラーになっていた。月子の試合に衝撃を受けた愛はプロレス団体ムーンライトに入門し、プロデビューを目指す。


藤本 楓『サボテンと海底』あらすじ

今年35歳を迎える俳優、柳田佳典は映画やCMの撮影前に俳優やタレントの代わりに準備作業を請け負うスタンドインの仕事を生業としている。映画に出たい気持ちを抱えつつも、チャンスに恵まれない日々。そんなある時、柳田の元に映画の主演オーディションの話が舞い込む。


牧 大我『デブリーズ』あらすじ 

うだつの上がらないCM監督・和田と若手カメラマン・佐々木は、企業広告の撮影に来たスクラップ工場で、突如開いたワームホールに巻き込まれ、砂漠の異星に飛ばされてしまう。そこには、地球のゴミで作られた衣服・仮面を身に纏い、生活をする謎の民族がいた。



左上から時計回りに『うつぶせのまま踊りたい』『ラ・マヒ』『デブリーズ』『サボテンと海底』©2023 VIPO


Index


それぞれのndjcへの思い



Q:ndjcにはどういった思いで応募されたのでしょうか。研修が決まった時の感想もお聞かせください。


岡本:自分は演劇畑の人間だったので、まず映画の勉強をしたいという思いがありました。ndjcの存在は昔から知っていて、エージェント契約しているAOI Pro.とのつながりがある、日本アド・コンテンツ制作協会から推薦をいただき応募しました。異業種から勉強に来た門外漢という気持ちだったので、選ばれたときは「本当にいいんですか?」と(笑)。でもだからこそ、映画の勉強をされてきた方とは違う新しい角度で作品を作っていこうと、そういう気持ちで挑みました。


成瀬:私は映画美学校出身で、学校でもいろんな実習をやっていました。修了制作で実際に映画を撮った経験もあります。とにかくプロレスの映画が撮りたかったのでndjcに応募しようと思いました。学校の先輩や後輩でも参加してる人がいたこともあり、それで、以前自分の映画が入選したTAMA NEW WAVEの方に連絡し、TAMA映画フォーラム実行委員会に推薦していただきました。


藤本:普段の私は撮影現場で美術部や制作部をやっているので、今回のndjcが監督としてはほぼ初めての体験でした。応募の前年に5分の短編を作ったことがあり、それが小さな映画の小さな賞をいただけたので、そのおかげでギリギリ応募できました。それくらいの経験しかなかったので、今回の30分の短編作りは私にとってかなり高いハードルでした。大学時代は舞台や映画を専攻していましたが、学んでいたのはプロデュース領域だったので、監督をやることは憧れであり大きなチャレンジでした。



藤本楓さん


Q:藤本さんの作品『サボテンと海底』はCMの撮影現場から始まりますが、それは普段の撮影現場で得たアイデアだったのでしょうか。


藤本:普段は映画やMVの現場が多いのですが、脚本を書くタイミングでちょうどCMの現場に行くことがあり、そこでスタンドイン*の方を見てインスピレーションを受けました。それでスタンドインを主人公にしたいと思い、その勢いのまま脚本を書いて応募しました。


*スタンドイン:撮影前の準備段階で役者の代わりに現場に入り、照明や立ち位置などのチェックに対応する人。


Q:牧さんは今回のメンバーではいちばん年下でまだ学生です。応募されたのはどういったきっかけだったのでしょうか。


牧:以前、友達と一緒に「映画を作ろうぜ」と、5,000円くらいの予算で映画を作りました。といってもそのうち2,000円は、映画に出す“ひよこの人形”をクレーンゲームで取るのに使ったお金でしたが…。とにかく、それで作った映画がショートショートフィルムフェスティバル & アジア2022のU-25部門で入選したんです。それでSSFF & ASIAの方から推薦をいただいてndjcに応募しました。そもそも僕はndjcをそれまで知らなくて、SSFF & ASIAから「応募したければ推薦しますよ」と案内をいただいて初めてその存在を知ったんです。ちょうど脚本を書こうと思っていた時期でいい機会だったので、書いて応募したら通った感じでした。





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