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NetflixからCyberZ/BABEL LABELに加入。佐藤菜穂美×山田久人特別対談【Director’s Interview Vol.300】

NetflixからCyberZ/BABEL LABELに加入。佐藤菜穂美×山田久人特別対談【Director’s Interview Vol.300】

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グローバルヒット作の特徴、プロデューサーの条件



Q:なかなか言語化は難しいですが、おふたりが思うグローバルヒット作の特徴というものはあるのでしょうか。個人的には独自性と普遍性――そのクリエイターにしか作れないミニマムなものの中に、多くの人に刺さる要素が入ることでマキシマムになる、といったような感覚があります。外見は独自、中身は普遍といいますか。


佐藤:独自性と普遍性、本当にそうだなと思います。あとはプラス時代性でしょうか。「今これをやる必要がどこにあるのか」はBABEL LABELの企画会議でもよく話しています。


感動はできるんだけど、「なんでこれをいま観なきゃいけないんだっけ」がちゃんとプラスされていないと狭い作品になってしまう。それはしっかり意識していきたいところです。


山田:僕も同感です。自分がよくプロデューサー陣に伝えているのは、その企画に対する責任と情熱がちゃんとあるのかということ。スターサンズの河村光庸さんが好例で、彼の「いまの時代のヤクザを描きたい」というプロデューサーとしての情熱が『ヤクザと家族 The Family』には明確に出ていると思います。今の時代のヤクザに対しての気持ちが乗っていない人が作ったら、あれだけの作品にはならない。


ザ・グローリー』の脚本家も、「いじめ」に対して自身の娘の実体験も織り交ぜながら徹底的に向き合って書いていますよね。だから多くの人々の心に刺さる作品になった。フィクションを織り交ぜたとしても、コアの部分にプロデューサーや書き手の気持ち・メッセージが乗っているかどうかはとても大切なことだよ、というのはチームでよく話しています。




Q:いまのお話は、人材育成にもつながるかと思います。藤井さんがよく言う「心中する気持ち」ではないですが、情熱を持った人材をどう見いだし、育てていくのか。


山田:BABEL LABELはライターズ・ルームを立ち上げて、脚本家を11人採用しました。それをプロデューサーたちが取りまとめてたくさんのチームに分かれて日々企画開発を行っています。


脚本家を巻き込んでどうチームを作っていくのかはプロデューサーの能力だと思いますし、佐藤さんとも毎日のように話しながら進めています。僕は「マインドセット」と呼んでいますが、「何を目指していくべきか」をちゃんと言語化して伝える努力はしています。


佐藤:実は私もビジネスプロデューサーですが企画を出していまして(笑)。最初は一歩引いた方がいいかなと思っていたのですが、やっぱり気持ちが乗らないと企画開発は難しい。自分で企画書を書いたらやっぱり喋れるし、会話も生まれやすいものです。想いがないと絶対にダメだと思います。


私自身、Netflixで買い付け担当をしていたときも当時のチームと大喧嘩して『ヤクザと家族 The Family』を買ったし、ギャガを辞めた理由はどうしても買い付けたかった『ムーンライト』を買えなかったからというようなところもあって。その気持ちのまま、BABEL LABELでもみんなで一緒に働きたいと思っています。


山田:ただ、まだまだ人が足りていないのが現状です。我こそはと思うプロデューサーは、ぜひ名乗りを上げてほしいですね。





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