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NetflixからCyberZ/BABEL LABELに加入。佐藤菜穂美×山田久人特別対談【Director’s Interview Vol.300】

NetflixからCyberZ/BABEL LABELに加入。佐藤菜穂美×山田久人特別対談【Director’s Interview Vol.300】

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ここ10年の業界内のスピード感の変化



Q:BABEL LABELは2010年に発足し、佐藤さんは2011年に映画業界に入られました。この10年、映画・映像業界におけるスピード感は変化したとお考えですか?


山田:僕ら自身が変わりましたね。社内ミーティングではよく「俺と藤井はせっかちだから、来週じゃなくて明日明後日やってほしい」というようなことは伝えています(笑)。世界を見ているとどんどん市場は動いているし、凄まじいスピードで動いているから焦りしかないです。僕ら自身がまだまだ変わらなければならないと思っています。


ただ最近、「あのときやっておいてよかったな」と実感することは多いので、自分たちの中でのスピード感では急いでいる感覚ですね。


佐藤:そうですね。私もギャガ→Netflix→CyberZ/BABEL LABELと転々としてきているので、せっかちかもしれません(笑)。本年度のアカデミー賞作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のダニエルズも同世代ですし、坂本さん自身もスピード感が凄まじい方なのでついていかなければという想いはあります。坂本さんは速さと同時に厳しさもあり、厳しくないとスピードが出せないしスピードはないと持続性もない。要は成長し続けられないと思うので、私も意識していきたいと考えています。


私には一貫して夢があって、それはアカデミー賞を獲ることです。ドラマであればエミー賞ですね。自分が関わった作品が世界中の観客の心に届き、評価されて関わった人たちみんなが幸せになることはずっと目標にしています。


Q:世界的にはプロデューサー視点を持ったクリエイターがどんどん台頭してきたイメージもありますが、いかがですか?


山田:重要だと思っています。先ほどの「どの局で流れているイメージなのか」もそうですが、「いまネットニュースでこれが流れたら面白いんじゃないか」といった視点も必要ですよね。


ただやっぱり、実際にストーリー展開をおもしろくしていくのは監督や脚本家の方々だと思っています。Netflix等が出てきたことでグローバルな展開を考えていくうえでは必要なポジションだと感じます。


佐藤:私は専門性が高いわけではありませんが、営業を経験してその後買い付けを担当した立場からいうと、ある程度色々なところを回ったら自然とそういう視点は生まれてくるのかなと思います。転職が割と普通のことになったり、独立する人も増えてきているのでこれからどんどんそういった人材は出てくるようには感じています。


Q:BABEL LABELの皆さんの特徴として、「肩書きに縛られない」はありますよね。面白いものを作るためには、どんなやり方があってもいいというか。


山田:そうですね。フットワークの軽さはずっとありますし、やる気重視です。自分の仕事をしてくれれば、後はいくらでもやりたいことをやっていいと思っています。




佐藤菜穂美

1988年生。2011年にギャガ株式会社に新卒入社し、2017年、Netflixに転職。Netflix東京オフィスを拠点に、主に実写作品において独占配信するオリジナル作品の契約や買付、プロデューサーとして「舞妓さんちのまかないさん」、「離婚しようよ」などを担当。2023年3月より、CyberZ/BABEL LABELに所属。


山田久人

1986年生。大学生時代から映像制作をはじめ、大手制作会社を経て、BABEL LABEL代表取締役社長に就任。

プロデューサーとして、「八月は夜のバッティングセンターで。」や「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」などを担当。5月19日公開 映画『最後まで行く』の製作を務める。



取材・文: SYO

1987年生。東京学芸大学卒業後、映画雑誌編集プロダクション・映画情報サイト勤務を経て映画ライター/編集者に。インタビュー・レビュー・コラム・イベント出演・推薦コメント等、幅広く手がける。「CINEMORE」 「シネマカフェ」 「装苑」「FRIDAYデジタル」「CREA」「BRUTUS」等に寄稿。Twitter「syocinema



撮影:青木一成

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