Ⓒ2022 UNIVERSAL STUDIOS
『ハロウィン THE END』デヴィッド・ゴードン・グリーン監督 ホラー映画? そのとおりだが、本作はラブストーリーでもある【Director’s Interview Vol.304】
今やオスカー女優である、あの人との過熱した議論
Q:シリーズの顔であるマイケル・マイヤーズは、何を象徴しているとお考えですか?
グリーン:邪悪そのものであり、それを人格化したものだね。僕が考える『ハロウィン』の面白さは、マイヤーズの残虐さよりも、その邪悪さが、どんな風に他人に影響をあたえるかということだ。彼と戦った人もいれば、彼のトラウマを背負って生きている人、パニックに陥った人、噂でしか知らない人もいる。そのような人間が、改めてマイヤーズを目の前にして、どうなっていくのか?ということに僕は興味がある。三部作すべてに言えることだけれど、そのようにしてドラマは掘り下げられていったんだ。
Q:そうなると、もうひとりのシリーズのアイコンであるローリーは、善の象徴なのでしょうか?
グリーン:善というよりも、善でありたいと思う者だね。言い換えれば、彼女は、この映画を見ている我々観客を象徴していると思う。感受性を持ち、脆い部分もあるけれど勇気もある。対する存在として、圧倒的に邪悪なマイケルがいるんだ。
『ハロウィン THE END』Ⓒ2022 UNIVERSAL STUDIOS
Q:ローリー役のジェイミー・リー・カーティスは、この三部作で製作総指揮を兼任しており、製作への関わりは意欲的だったと聞いていますが、彼女と監督の意見が衝突することはありませんでしたか?
グリーン:撮影前のディスカッションは過熱したね。彼女が演技で表わすものについて、たくさんの話し合いをしたよ。それは僕らが、この映画をよくするうえで必要なことだった。とはいえ、一度撮影に入ったら、僕もジェイミーも、とにかく楽しい雰囲気を作り上げたし、喜びにあふれ、笑い声が絶えない現場だった。雰囲気はとてもよくて、僕も彼女もスタッフも楽しんで仕事をした。もちろん、カメラが回っている間は、皆シリアスになるけどね。