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『ドクター・スリープ』キューブリック作『シャイニング』を引き継ぎつつ、原作者キングを満足させた理由とは ※注!ネタバレ含みます。

『ドクター・スリープ』キューブリック作『シャイニング』を引き継ぎつつ、原作者キングを満足させた理由とは ※注!ネタバレ含みます。


 マイク・フラナガン監督・脚本、ユアン・マクレガー主演の『ドクター・スリープ』は、スティーヴン・キングが長編第3作「シャイニング」の続編として2013年に発表した同名小説の映画化であり、キングの前作をスタンリー・キューブリックが映画化した『シャイニング』(80)の続編としても成立している。当たり前のように聞こえるかもしれないが、これらを両立させることは、実は途方もない難題だった。それはなぜか。


※『ドクター・スリープ』と前作『シャイニング』両方のラストに触れています。鑑賞後の閲覧をおすすめします。


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原作者キングが嫌った映画『シャイニング』



 以前に『シャイニング』について書いた当サイト記事で、キューブリックが小説の内容を大幅に改変して作った映画に対し、原作者のキングが批判を繰り返したことを紹介した。キャスティングが駄目、ホラーの本質をわかっていない、ラストも小説が「炎」で映画が「氷」で正反対、などと並べ立てたが、最大の要因はやはり主人公ジャック・トランスの扱いだろう。



 前に書いたように、キングは作家志望のジャックに自身を投影した。アルコール依存症に苦しんだ実体験があり、冬期休業前のホテルに宿泊したことで本作の着想を得た。小説のジャックはオーバールック・ホテルで次第に正気を失っていくが、悪霊からの干渉と家族愛の間で最後まで葛藤し、遂には自らを犠牲にすることでホテルに“勝利”して妻子を守った。


 だが、ジャック・ニコルソンが演じた映画のジャックは、家族愛をほとんど感じさせず、狂気にとらわれて妻と息子を追いまわした挙句、ホテルに呪い殺されたような格好で敗北する。キングの立場からすれば、「自己犠牲のヒーロー」を巨匠監督に託したら、「精神異常のヴィラン(悪役)」に貶められてしまったことになる。納得がいかず、悔しい思いをしたのも当然だ。



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