Ⓒ2022 UNIVERSAL STUDIOS
『ハロウィン THE END』デヴィッド・ゴードン・グリーン監督 ホラー映画? そのとおりだが、本作はラブストーリーでもある【Director’s Interview Vol.304】
次回作は、またも、あの傑作ホラーの続編!
Q:ジェイミーは『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』でアカデミー助演女優賞を受賞しましたが、あの映画の感想をお聞かせください。
グリーン:これまでの映画の方程式に乗らず、ルールを壊すというリスクをとった、すごい映画だと思う。想像力にあふれたエキセントリックかつワイルドな作品が、これほどの評価を受けたのは、とても良いことだ。ジェイミーのワイルドさも含めてね。彼女のパフォーマンスは最高だったし、彼女の受賞には僕も誇らしい気持ちになったよ。
『ハロウィン THE END』Ⓒ2022 UNIVERSAL STUDIOS
Q:あなたの次回作は、これまたホラーの傑作『エクソシスト』の新たな続編と聞いています。どんな作品になるか、話せる範囲でお聞かせください。
グリーン:じつは2週間前にクランクアップしたばかりなんだ。ご指摘のとおり、これはウィリアム・フリードキン監督のオリジナル版『エクソシスト』の新しい続編だ。同作に主演したエレン・バースティンが同じ役で戻ってくるよ。そして、オリジナル版とはまた違った、悪魔憑きの物語を描いている。『ハロウィン』と共通しているのは、僕が子どもの頃に見て、インスピレーションをあたえられた、そんな作品を僕らのやり方で再構築していくという点だ。最初の『エクソシスト』は確かに恐ろしいホラーではあるけれど、基本的には親と子どもの絆の物語だった。僕らの続編は、そういうドラマを掘り下げた作品になると思う。
Q:監督は『ハロウィン』シリーズを撮る前まではコメディや『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』のような感動作を手がけていましたが、今やホラーの分野の専門家とも見られているのではないでしょうか。そのようなイメージがついてしまうことに不安はありませんか?
グリーン:そういうレッテルを貼られる恐れも確かにあるけれど、そこは僕のフィルモグラフィーを見てもらえればわかることだし、気にしていない。それに『ハロウィン』トリロジーを手がけたことにより、ホラーというジャンルを通してドラマをきちんと描けば、より多くの人にそれが届くということがわかった。それ以前の作品には興行的に残念な結果に終わったものもあったけれど、このようなジャンルに目配せすることで、僕の語りたいドラマをより多くの観客に届けられるのだから、これはひとつの手法として有効だ。現在はそれを掘り下げている段階であり、僕の監督としての人生のそういう一幕だと受け止めている。そして次の一幕に入ったら、前までの経験を生かして、新しくてより素晴らしい作品を届けられれば幸いだ。
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監督・脚本・製作総指揮:デヴィッド・ゴードン・グリーン
1975年4月9日生まれ、アメリカ合衆国アーカンソー州リトルロック出身。『ハロウィン』(18)、『ハロウィンKILLS』(21)、本作の新3部作すべてでメガホンをとった。その他の主な映画監督作に『スモーキング・ハイ』(08/未)、『ロード・オブ・クエスト~ドラゴンとユニコーンの剣~』(11/未)、『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』(17)などがある。今後は、映画『The Exorcist(原題)』およびTVシリーズ「Hellraiser(原題)」が控える。
取材・文:相馬学
情報誌編集を経てフリーライターに。『SCREEN』『DVD&動画配信でーた』『シネマスクエア』等の雑誌や、劇場用パンフレット、映画サイト「シネマトゥデイ」などで記事やレビューを執筆。スターチャンネル「GO!シアター」に出演中。趣味でクラブイベントを主宰。
『ハロウィン THE END』
全国公開中
配給:パルコ
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