1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『J005311』河野宏紀監督x主演:野村一瑛 作り上げることだけに集中した【Director’s Interview Vol.306】
『J005311』河野宏紀監督x主演:野村一瑛 作り上げることだけに集中した【Director’s Interview Vol.306】

『J005311』河野宏紀監督x主演:野村一瑛 作り上げることだけに集中した【Director’s Interview Vol.306】

PAGES


映画作りにおいて「もっと自分をさらけ出せ」とはよく聞く言葉だが、作品を観てそう感じる映画が果たして何本あるだろうか。『J005311』は“感じる”という言葉が生ぬるく思うほど、監督と主演の二人が重量級の圧で迫ってくる。出演は監督も含めた二人だけ、スタッフは監督と俳優、撮影と録音のたった四人。そして撮影は四日間のみ。監督は映画の勉強すらしたことがなく、本作が初監督作。荒削りな部分は確かにあるが、それでもこの作品を作り上げた。いや、だからこそこれだけの映画が生まれてしまったのだろう。


満場一致でのぴあフィルムフェスティバル・グランプリ獲得、名だたる監督たちの絶賛コメントも当然の結果。監督の中には嫉妬を覚えた方もいるらしいが、実はほとんどの監督が嫉妬しているのではないかと勘繰ってしまう。『J005311』はプロの監督たちが撮りたくても撮れない映画だからだ。


そんな作品を作り上げた監督の河野宏紀(こうのひろき)と主演の野村一瑛(のむらかずあき)だが、彼らはどんな思いでこの映画と対峙してきたのか。話を伺った。



『J005311』あらすじ

神崎(野村一瑛)は何か思い詰めた表情で、街へ出かける。タクシーが捕まらず、背中を丸め道端に座り込んでいると車道越しにひったくり現場を目撃。一心不乱に走り出した神崎は、ひったくりをしていた山本(河野宏紀)に声をかけ、100万円を渡す代わりにある場所へ送ってほしいと依頼する。山本は不信に思いつつも渋々承諾し、二人の奇妙なドライブが始まった。気まずく重い空気が漂う中、孤独な⼆⼈が共に過ごす歪な時間。この旅路の行きつく先は―。


Index


初めての監督作、作ることだけに集中した



Q:本作は河野監督が初めて作った映画で、それまでは映画の勉強すらしたことがなかったとのことですが、全てを独学で作り上げたのでしょうか。 


河野:そうですね。自分の好きな映画などを参考にしつつ作りました。特に誰かに教えてもらったりはしていません。


Q:俳優として商業映画の現場は経験されていますが、それは参考になったのでしょうか。 


河野:全然参考になってないですね。カメラがあって、録音があって、照明があってぐらいのことしか分かってなかった。カット割りがどうとか、録音技術がどうとかは全く知らなくて、最低限カメラと録音がいれば何とか撮れるかなと思っていました。


Q:野村さんに何か相談されたりはしましたか。


河野:脚本で行き詰まったときは野村の意見を聞くこともありました。撮影前のリハーサルではよく相談しました。動きやセリフに違和感があったときは、野村の意見を受け入れることもあれば、否定することもあり、試行錯誤しながらやりました。



『J005311』© 2022『J005311』製作委員会(キングレコード、PFF)


Q:こういう映画を作りたいと、いつ頃野村さんに相談されたのですか。


河野:9年ほど前の19歳のときから一緒にいるのですが、20代前半くらいから二人で映画を作ろうとずっと言っていました。当時は共同で脚本を書いていましたが、なかなか上手くいかず結局何も撮っていませんでした。今回、僕が俳優を辞める前にもう一回やってみようと、そう言ったのが21年の10月くらい。お互いに監督することは決めていて、それぞれ脚本を書いて先に書けた方から作ろうと。それで僕の方が先に書けたので作ることになりました。


Q:初めての監督経験で迷いや不安はありませんでしたか?

 

河野:もちろん不安は大きくありました。ただこの映画は誰かから頼まれて作るわけではない。責任は全部自分たちにある。だから別にどうなろうが関係ない。二人にとって劇場公開なども何も関係なく、中身はどうあれとにかく作り上げることだけに集中しました。





PAGES

この記事をシェア

メールマガジン登録
counter
  1. CINEMORE(シネモア)
  2. Director‘s Interview
  3. 『J005311』河野宏紀監督x主演:野村一瑛 作り上げることだけに集中した【Director’s Interview Vol.306】