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『冬子の夏』金川慎一郎監督 CMディレクターが挑むシナリオ大賞映画化プロジェクト【Director’s Interview Vol.313】

『冬子の夏』金川慎一郎監督 CMディレクターが挑むシナリオ大賞映画化プロジェクト【Director’s Interview Vol.313】

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あえて意図を説明しない



Q:脚本を読んだ印象はいかがでしたか。


金川:女子高生の青春映画でしたが、そのジャンルの映画はあまり観てなかったし、CMでも撮ったことがなかった。CMだと絶対に自分には来ない仕事だと思いましたが、いい経験になるし、やったことのない世界を描けるのは楽しいだろうなと思いました。


Q:読んでいて画は浮かびましたか。


金川:画がパッと浮かんだというよりは、この脚本をエンターテインメントにするにはどうしたらいいか、それが最初の取っ掛かりでした。伏線があって観客の興味を牽引する感じが良いと思い、それをストーリーにどう組み込むかを考えていました。画を考えたのは最後でしたね。


Q:その後、脚本は改稿されたのでしょうか。


金川:そうですね。2〜3回ほど改稿しています。ただ、最初の内容でグランプリを獲っているため大幅な変更はできないのですが、僕が考えた内容を煙山さんに伝えると、「金川くんがやりたいのはこんな感じかな?」とうまく脚本に反映してくれました。



『冬子の夏』©2022『冬子の夏』製作委員会


Q:作品は隠喩が多いように感じました。観客の考える余地をあえて残しているように思えましたが、その辺は煙山さんとお話しされたのでしょうか。


金川:初稿では分からない箇所があったので、煙山さんに意図を説明してもらいようやく理解できました。ただし、そこは映像化する際にはあえて説明せずに、メタファーや伏線めいたものとして残しておいた方が効果的だと思いました。そのことによって、何度も観たくなったり、人に伝えたくなったりするものが作れるのではないかと。


Q:映画を観た方の中には、ノエルは存在しないと考えている人もいるようです。


金川:存在しないと断言はしていませんが、そう感じてもらえるのも面白いですね。「もしかして存在しないのかな?」と思った人は、また違った面白さを感じることができる。そういう風にも作っています。




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