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『何をそんなに慎ましく』吉田奈津美監督 言葉にならないものを伝える 【Director’s Interview Vol.322】

『何をそんなに慎ましく』吉田奈津美監督 言葉にならないものを伝える 【Director’s Interview Vol.322】

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自主映画にこだわる理由



Q:商業映画ではなく、あくまで自主映画として本作を作ろうとされていますが、そこにこだわる理由を教えてください。


吉田:多くの監督たちが自分の企画を温めながら、商業映画として撮れるチャンスを窺っています。ただし、いつ実現できるかは分からず時間がかかってしまうもの。そこで私たちは「待たずに自分たちで撮る」という選択をしました。一刻も早くこの映画のテーマを世の中に届けたかった。それで自主映画として撮ることを決めました。


自主映画は規模が小さくなってしまうものの、(お金の)回収を念頭に置かなくていい。それにより、映画が持つ“表現”という力を最大限発揮することも出来る。そこも自主映画としての強みだと思います。



Q:商業映画として作る動きはされていたのでしょうか。 


吉田:まだ、商業映画として作品を作ったことはありませんが、商業映画のプロデューサーの方々にもお会いしました。こちらの話を聞いてもらいつつ、商業映画の仕組みやメリット・デメリットなど丁寧に説明していただきました。そういった対話を踏まえて、今回は商業ではなく自主で作った方が良いという結論に至った部分もあります。


Q:将来的に商業映画の世界で撮りたい気持ちはありますか? 


吉田:そうですね。プロフェッショナルなこだわりを持つスタッフの皆さんと一緒に映画を作ることによって、辿り着ける場所もあると思います。今回は自主制作で頑張りますが、いずれは商業を作っている方々とも映画を作りたいと思っています。


Q:自主映画は予算的、物理的な制約が厳しい状況下での制作になると思いますが、そんな中でも監督としてこだわりたい点があれば教えてください。


吉田:言葉として定義されていない関係性や感情を描きたい。そこはどんな形であれこだわりたいですね。3人の強い感情をしっかり描いて観客に届ける。それはお金があるからといって必ずしも出来ることではないと思います。スタッフ・キャスト共に、言葉にならない感情について語り合いながら撮っていきたいです。





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