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『大名倒産』前田哲監督 映画作りはチームプレイ。だから面白い【Director’s Interview Vol.323】

『大名倒産』前田哲監督 映画作りはチームプレイ。だから面白い【Director’s Interview Vol.323】

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老後の資金がありません!』(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『ロストケア』(23)、『水は海に向かって流れる』(23)、そして本作『大名倒産』と、近年、怒涛の勢いで話題作、ヒット作を手掛けている前田哲監督。ジャンルを限定することもなく、それぞれが扱うテーマも多彩だ。そんな前田監督が今回手掛けたのは、自身初となる時代劇。ジャンルを超える前田監督の手腕は、本作でいかに発揮されたのか?話を伺った。



『大名倒産』あらすじ

越後・丹生山(にぶやま)藩の鮭売り・小四郎(神木隆之介)はある日突然、父(小日向文世)から衝撃の事実を告げられる。なんと自分は、〈松平〉小四郎― 徳川家康の血を引く、大名の跡継ぎだと!庶民から一国の殿様へと、華麗なる転身…と思ったのもつかの間、実は借金100億円を抱えるワケありビンボー藩だった!?先代藩主・一狐斎(佐藤浩市)は藩を救う策として「大名倒産」つまり藩の計画倒産を小四郎に命じるが、実は全ての責任を押し付け、小四郎を切腹させようとしていた…!残された道は、100億返済か切腹のみ!小四郎は幼馴染のさよ(杉咲花)や、兄の新次郎(松山ケンイチ)・喜三郎(桜田通)、家臣の平八郎(浅野忠信)らと共に節約プロジェクトを始めるが、江戸幕府に倒産を疑われ大ピンチ!果たして小四郎は100億を完済し、自らの命と、藩を救うことが出来るのか!?


Index


時代劇はSFのようなもの



Q:監督として初の時代劇はいかがでしたか。


前田:時代劇をやるのはずっと夢だったので、楽しかったです。誰もその時代に行ったことはなくSFみたいなものなので、思った以上に自由度も高かった。また、今の日本の現状も含めてトレースがしやすい。メッセージを直接訴えるよりも、時代劇というものを通した方が観客に届きやすい感じもありました。


Q:確かに今の社会を反映しているようなシーンも記憶にあります。武器を売りに出すシーンでの「武器があるから戦がおこるんです」という小四郎のセリフなどは良かったです。


前田:そうですね。あれは原作にないセリフです。最初はもう少し硬かったのですが、柔らかくわかりやすいものにアレンジしました。



『大名倒産』© 2023映画『大名倒産』製作委員会


Q:全体的な色味や衣装の柄、現代風の話し言葉など、カラフルでポップな世界観が印象的でしたが、その理由があれば教えてください。


前田:時代劇の面白さをもっと若い人に届けたい思いがありました。年配の方が観るものという印象を変えたかったんです。あの時代がどれだけカラフルだったかは実際には分からない。もちろん町人や武士の着物の作法など、決まりごとは守りつつも、スタッフには幅を広げて自由に発想してもらいました。





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