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『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』オレシャ・モルグネツ=イサイェンコ監督 ウクライナを忘れないで【Director’s Interview Vol.331】

©︎MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020

『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』オレシャ・モルグネツ=イサイェンコ監督 ウクライナを忘れないで【Director’s Interview Vol.331】

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映画が持つ役割



Q:この映画のように事実を伝えようとしている一方で、欧米諸国や日本では歴史が風化し修正されそうになっている現実もあります。 


イサイェンコ:歴史修正主義は大きな問題です。ロシアも昔からウクライナの歴史を修正しようとしてきました。しかし真実は必ず知られるようになります。長年にわたってロシアはウクライナの文化を否定し、ウクライナ人を絶滅しようとしていましたが、この戦争がきっかけでウクライナの文化や歴史が逆に世界に知られるようになった。また同時に、ナチスドイツがユダヤ人に残虐行為を行ったように、ロシアもウクライナに対してひどい残虐行為を行なっていたことも知られるようになったのです。



『キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩』©︎MINISTRY OF CULTURE AND INFORMATION POLICY OF UKRAINE, 2020 – STEWOPOL SP.Z.O.O., 2020


Q:そういった事実を世界に知ってもらうためにも、本作のような映画が持つ役割が益々重要になっていくと思います。


イサイェンコ:仰る通りですね。様々な映画祭でこの映画の上映がありましたが、アイルランドでは「映画を観て、現在のロシアによるウクライナ侵攻の原因がわかりました」というコメントもありました。この映画を観ていただくと、今の戦争の原因は昔から存在していることがわかると思います。ロシアによる侵攻は決して内戦ではありません。この事実を理解してもらうのはとても重要なことなのです。


Q:劇中では、何の罪もない一般市民が理不尽に戦争に巻き込まれていきます。女性や子供の視点で戦争を描いた理由を教えてください。


イサイェンコ:それは私が女性であり子供もいるからです。そして私も今、劇中の登場人物たちと似たような状況にいますが、私の物語はハッピーエンドになることを願ってやみません。





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