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『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』ジェフ・ロウ監督 映像も音楽も「クール」を目指して【Director’s Interview Vol.354】

『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』ジェフ・ロウ監督 映像も音楽も「クール」を目指して【Director’s Interview Vol.354】

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人気コミックを原作にして、映画では1990年の実写版を皮切りに、アニメ版も含め多くの作品を生んできた「ティンーエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズ」の世界。どこか愛おしいカメのキャラたちの大活躍に根強いファンも多い。その最新バージョン『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』は、おなじみのタートルズ=カメ兄弟の起源も描かれるアニメーション作品だが、その表現がクール。これまでのタートルズ作品のイメージを覆す要素も詰まっており、批評家からも異例の高評価を得ている。


監督を任されたジェフ・ロウは、Netflixの『ミッチェル家とマシンの反乱』(21)でアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた期待の星。プライベートで日本を訪れたタイミングで、インタビューに応えてくれることになった。


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スタジオ上層部の視線は冷たかった



Q:『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』は人気俳優のセス・ローゲンが立ち上げたプロジェクトです。監督オファーの経緯から教えてください。


ロウ:『ミッチェル家とマシンの反乱』の次の監督作を探していた時に、僕のエージェントから「ニンジャ・タートルズに興味ある? セス・ローゲンは好き?」と聞かれました。僕は即座に「両方とも大好き。セスがタートルズの映画を作るなんて最高!」と軽い気持ちで伝えつつ、その時点ではまさか監督に選ばれるとは想像すらしていませんでした。その後、セスと面会し、多くの人に自分を売り込む機会があり、決め手はわかりませんが(笑)、仕事をもらえたのです。


Q:『ミッチェル家とマシンの反乱』の評価も後押ししたのでは?


ロウ:いえ、『ミッチェル家』はNetflixでまだ配信していなくて、パラマウントのアニメーション部門の上層部の人からは「なぜお前なんかと話さなくちゃならない?」という目で見られていたのを覚えています(笑)。しかしその面談中に彼らは『ミッチェル家』の予告編を観てくれ、「これは面白そうだ。君は才能がある」と評価してくれました。こうして『ミッチェル家』の完成前に、今回の「タートルズ」の製作がスタートしたのです。



『ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!』© 2023 PARAMOUNT PICTURES.TEENAGE MUTANT NINJA TURTLES IS A TRADEMARK OF VIACOM INTERNATIONAL INC.


Q:あなたは1986年生まれですが、そもそも「タートルズ」の世界はどれくらい好きだったのですか?


ロウ:一応、大ファンです。初期(87年〜)のTVシリーズや最初の2本の実写映画(90年の『ミュータント・タートルズ』と91年の続編)は大好きで、子供時代におもちゃを集めたりしてました。でも最近の作品は、観ていないものもあって……。答えづらい質問ですね(笑)。


Q:めちゃくちゃ大ファンではないからこそ、この新作は過去のタートルズ映画と違うテイストになったのでは? アニメのタッチは『ミッチェル家』ともまったく違いますよね。


ロウ:『ミッチェル家』では、僕とマイケル・リアンダ(共同監督)は初の長編ということで少し臆病になっていた気もします。ですから王道的なタッチを選択しました。でも今回は2作目。妥協という考えはゼロで、誰も観たことのないほどクールな映像を狙いました。未熟な部分がありながら、冒険心は強いティーンエイジャーになった感覚で、映像を創り上げていったのです。





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