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『花腐し』佐藤現プロデューサー 荒井さんにしか撮れない作品だった 【Director’s Interview Vol.372】

『花腐し』佐藤現プロデューサー 荒井さんにしか撮れない作品だった 【Director’s Interview Vol.372】

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諦観と色気を目指したキャスティング



Q:綾野剛さん、柄本佑さん、さとうほなみさんのキャスティグはどのように決まったのでしょうか


佐藤:もともと原稿が書かれたのが2014年だったので、現代設定も同じ2014年だったんです。そこからの過去の設定が2000年〜2006年くらい。それを荒井さんが「これ古いから、現代を今の設定にするよ」と言って、2020年に変更したんです。でもそうすると、伊関が祥子に出会ってから20年くらいのブランクが出来てしまう。そうなった時に、伊関役や栩谷役に枯れきってしまった50代をキャスティングするのは結構キツイなと…。まだ夢を失っていない部分と諦観の部分の両方をちゃんと演じきれる人がいいなと思ったんです。諦観と色気を両方やれる人に演じて欲しかった。それで「やっぱり若くしましょう」と言って、時代を戻してもらったんです。


それで2012年を現代の設定にしたのですが、その年は富士フィルムが映画フィルムの製造をやめたり、浅草世界館や新宿国際などのピンク映画館が無くなったりと、古き良き映画界が終わってゆく時代の移り目だった。東日本大震災直後でもあり、失われいくものへの鎮魂を描く意味でも重要な選択だったと思います。



『花腐し』©2023「花腐し」製作委員会


年齢設定も下がることになったので、諦観と色気の両方を表現できる方ということで、綾野剛さんが良いのではないかと思い、荒井さんに提案したところ、荒井さんも同意見でした。綾野さんと荒井さんは誕生日が一緒なんですよ。お互いに「運命を感じた」のではないかと(笑)。綾野さんは脚本を読まれて、すぐに出演を決めてくれました。一方で柄本佑さんは、荒井さんとは旧知の間柄で、全幅の信頼を寄せ気心が知れている存在。「伊関は佑にやってもらいたい」というのは監督たっての希望でした。綾野さんと佑さんがずっと喋っているシーンがありますが、二人のコントラストが絶妙で、トーンが心地よくて現場でもずっと聞いていられる感じがありましたね。


そして、さとうさんですが、彼女はオーディションで決まりました。僕は城定秀夫監督の『愛なのに』(21)という作品でご一緒していて、荒井さんが『愛なのに』を観てくれたんです。「あの、さとうほなみって子はいいな」と言ってくれたので、「とてもいいですよ!物凄く肝の座った男前な人ですよ」と伝え、早速さとうさんにオーディションに来てもらい「さよならの向う側」をその場で歌ってもらいました。





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