東宝が新たに手掛ける才能支援プロジェクト「GEMSTONE Creative Label」。本レーベル初の劇場公開作品として、4人の新進気鋭の監督たちによって創り出された短編オムニバス映画『GEMNIBUS vol.1』が、6月28日より公開される。その中の1本が本作『ゴジラVSメガロ』だ。
全世界1,070万回再生を超える『ゴジラVSガイガンレクス』待望の続編として昨年YouTubeで公開され、早くも470万回再生を超えたショートフィルム『ゴジラVSメガロ』。現代に蘇った守護神メガロが、〈シネマティック・バージョン〉としてより精緻かつ迫真の映像、そして5.1ch音響となってスクリーンに登場する。
『ゴジラ-1.0』(23)でアカデミー賞視覚効果賞を受賞した白組に所属する上西琢也氏は、『シン・ゴジラ』(16)、『シン・ウルトラマン』(22)等を手がけ、『ゴジラ-1.0』にも関わってきたCGディレクター。監督として手がけた『ゴジラVSメガロ』は、如何にして作り上げたのか。上西監督に話を伺った。
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起きている間はずっと作品を作っていた
Q:このプロジェクトにはどのような経緯で参加されたのでしょうか。
上西:「ゴジラ・フェス」でメガロ生誕50周年に向けて作品を作っていこうというのが最初にあり、その後GEMSTONEの企画に合流した感じです。
Q:白組に所属されていて、CGディレクターをされているそうですが、ご自身で監督をしたいと、社内で手を挙げた感じだったのでしょうか。
上西:今回は完全に個人活動の流れだったので、逆に白組に仕事を持って来た形になります。将来的に自分で何かを作りたいと思いCG業界の門を叩いたので、今まさにそのタイミングが来たのかなと。
Q:白組の仕事と自主制作の両立はいかがでしたか。
上西:それはもう大変でしたね(笑)。とにかく時間が無くて、起きている間はずっと作品を作っているような生活でした。ただこれまでも、ライフワークとしてプライベートで怪獣を作り続けていたので、それがそのままゴジラになった感じでした。
Q:白組のスタッフとはどのような作業分担をされたのでしょうか。
上西:前作の『ゴジラVSガイガンレクス』は、ほぼ一人で作ったのですが、今回は実写合成のパートや、ゴジラとメガロが戦っている周りの背景はスタッフにお願いしました。そのおかげで自分は怪獣バトルに専念させてもらえました。
Q:今回は、実写合成の部分とフルCGの部分はどれぐらいの比率なのでしょうか。
上西:前半は実写合成シーンがメインで、後半はフルCGがメインになっています。比率で言うと、CGパートが6割で残り4割が実写含めた合成部分ですね。