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『インスティゲイターズ 強盗ふたりとセラピスト』マット・デイモン×ケイシー・アフレック 43年の友情とエゴを言わない関係性【Actor’s Interview Vol.42】

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『インスティゲイターズ 強盗ふたりとセラピスト』マット・デイモン×ケイシー・アフレック 43年の友情とエゴを言わない関係性【Actor’s Interview Vol.42】

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ベン・アフレックにも出演してほしかった



Q:マットがキャスティングされたことで、本作はマットとベン・アフレックが設立した製作会社アーティスト・イクエティにとって、『 AIR/エア』(23)に続く2本目のプロデュース作品になりました。『 エア』のようにベンが俳優として出演する可能性はなかったのですか?


デイモン:もちろんベンにもキャストの一員になってほしかったです。ただ僕らがボストンやその近郊で映画を撮影している間、LAのオフィスを留守にできない事情もあって、彼にはそちらに残ってもらったのです。ベンは脚本の草稿を読むなどプリプロダクションに関わったうえ、ポストプロダクションでは編集などさまざまなアドバイスを与えてくれました。その意味でプロデューサーの役割は存分に果たしています。


Q:あなたたちは過去にもガス・ヴァン・サント監督の『 GERRY ジェリー』(02)で共演し、共同脚本にも名を連ねました。あれから22年を経て、ひとつの映画を作るうえでの関係性は変わりましたか?


アフレック:ほとんど変わっていませんね。初めて一緒に仕事をした時から、僕とマットはおたがいを信頼し、クリエイティブになれる関係でした。もちろん意見が衝突することもありましたよ。たとえばマットとベンが書いた脚本に、俳優の立場から僕がジョークのネタを提案するとします。もし彼らがそれを気に入らなくても、「いやいや、こういう理由で修正は必要でしょう」と僕は言えるんです。つまり何でも言いやすい関係性で、それで信頼が壊れることはありません。だから作品の方向性で混乱しても、妙な安心感があるのでしょう。今回のダグ・リーマン監督もそうですが、マットもエゴという感覚に無縁です。作品を良くするためのアイデアを考えるのが大好きで、そのアイデアが決して自分だけのためではない、ということです。



『インスティゲイターズ 強盗ふたりとセラピスト』画像提供 Apple


デイモン:僕もケイシーとは43年の付き合いですが、彼からエゴを感じたことはありません。エゴが創造力の邪魔になることを、僕らはわかっているんです。僕らの根底には愛とリスペクト、信頼があるので、自分のアイデアを正直に話し、明確に意見を闘わせることができる。感情的になることはありません。


アフレック:ただ『 ジェリー』の頃からの変化といえば、マットの俳優としてのキャリアでしょう。この20年で、彼は映画史上最高といえる何人もの監督と仕事をしました。その姿を眺めながら、僕もちょっと感動していましたよ(笑)。


Q:改めて『インスティゲイターズ』が、目指した作品になったという実感はありますか?


アフレック:このようなバディムービー、しかもコメディ要素もある作品を、そんなに親しくない相手と作るのは難しい。共通するユーモアのセンスが必要なんです。そこは今回、成功したという自信があります。僕らが目指したのは、繰り返し観たくなるエンターテインメントなので、とにかく1回観てもらって、その思いが伝わればいいと思います。


デイモン:シリアスな題材を楽しく見せる。物語がクレイジーになっても、現実に根ざしているように感じさせる。そんなチャレンジの作品になったと思います。記憶に残るジョークやキャラクターと出会えるでしょう。ケイシーがバディムービーと言ったけど、もう一人のメインキャストでセラピスト役のホン・チャウの演技も素晴らしく、彼女と再共演できたこと(前回は『 ダウンサイズ』17)が僕にはラッキーでしたね。



取材・文: 斉藤博昭 

1997年にフリーとなり、映画誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。クリティックス・チョイス・アワードに投票する同協会(CCA)会員。




Apple Original Films『インスティゲイターズ 強盗ふたりとセラピスト』

Apple TV+にて8月9日(金)より配信開始!

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