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『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』上田慎一郎監督 自分の体に流れているケイパー映画の血 【Director’s Interview Vol.454】

『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』上田慎一郎監督 自分の体に流れているケイパー映画の血 【Director’s Interview Vol.454】

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自分の体に流れているケイパー映画の血



Q:ケイパー映画のセオリーをかなりうまく使われている印象がありますが、テンプレートと応用をどう使い分けていますか。


上田:意識はあまりしていません。ケイパー映画やチーム強奪モノ、詐欺師モノが大好きなので、その血が自分の体に流れている(笑)。意識せずともそういうふうに脚本を書いている感じですね。ただ、お約束を使いつつも、ミスリードさせて驚かすことは意識しているかもしれません。大ドンデンではなく小さなツイストの部分でも、「観客に負けないぞ」と思いながら書いています。


ただし、「観客の思い通りに進んだら面白くない」というポイントを作りつつも、「後出しジャンケン」みたいになってしまうのはフェアじゃない。ヒントも出しつつミスリードさせようと意識していますね。



『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』©2024アングリースクワッド製作委員会


Q:上田作品は常にツイスト、驚きがありますが、考える際にプレッシャーはありますか。M・ナイト・シャマラン作品への期待と似たようなものがある気もします。


上田:『カメラを止めるな!』では構造的に途中でドンデン返しをしていて、『スペシャルアクターズ』(19)では見ていたものが全てひっくり返るような最終的なドンデン返しをしている。『ポプラン』(20)は設定自体がぶっ飛んでいたりと、これまでは気を衒った大仕掛けや、設定が目立つ作品が多かった。今回はケイパーというジャンル映画からはハミ出さずに驚きのあるエンターテインメントを作ろうと思っていました。構造的にレイヤーを出ないと言いますか、必殺技みたいなものを使わずに勝利するようなことですかね。だから今回は、小細工なしに超剛速球の直球エンターテインメントを作ったつもりです。


Q:シャマラン映画のように、ファンが勝手に期待してしまう部分もありそうですね。


上田:それはファンだけじゃなくて、プロデューサーからも求められるんです。「ドンデン返しがいいなぁ」みたいなことはよく言われます(笑)。「そんな簡単には出来ないですよ」と言っていますが(笑)。





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