『カメラを止めるな!』(17)の上田慎一郎監督が仕掛ける痛快ケイパー・エンターテインメント! 内野聖陽、岡田将生らアベンジャーズばりのスター俳優たちと共に生み出したのは、壮大な騙し合いバトル。真面目な税務署員と天才詐欺師がタッグを組んで、脱税王から大金を騙し取ろうと壮大なミッションに挑んでいくー。原作となったのは韓国ドラマ「元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~」(16)。上田監督はこの原作を元に、いかにして本作『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』を生み出したのか? 話を伺った。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』あらすじ
税務署に務めるマジメな公務員・熊沢二郎(内野聖陽)。 ある日、熊沢は天才詐欺師・氷室マコト(岡田将生)が企てた巧妙な詐欺に引っかかり、大金をだまし取られてしまう。親友の刑事の助けで氷室を突きとめた熊沢だったが、観念した氷室から「おじさんが追ってる権力者を詐欺にかけ、脱税した10億円を徴収してあげる。 だから見逃して」と持ちかけられる。犯罪の片棒は担げないと葛藤する熊沢だったが、自らが抱える”ある復讐”のためにも氷室と手を組むことを決意。 タッグを組んだ2人はクセ者ぞろいのアウトロー達を集め、詐欺師集団《アングリースクワッド》を結成。壮大な税金徴収ミッションに挑む―。
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14稿まで書いた脚本
Q:本作は原作となるドラマがありますが、脚本作りはいかがでしたか。
上田:大変でした(笑)。長編実写映画で原作モノは初めてなんです。まずは全16話あるドラマのどこを取捨選択するかに1〜2年費やしました。プロットを作り始めたのがコロナ前だったのですが、コロナ禍を経て世界の空気も変わり、修正を余儀なくされた部分もたくさんありました。かなり悪戦苦闘しましたね。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』©2024アングリースクワッド製作委員会
Q:脚本家の岩下悠子さんと2人での脚本作りはどうでしたか。
上田:いつもは1人で脚本を書くことが多く長編実写での共同作業は初めてでしたが、とても面白かったですね。最初の5稿くらいまでを岩下さんに書いていただき、そこから自分が受け取って、最終的には14稿までいきました。最初の段階で大枠は決まっていて、岩下さんがプロットをまとめてくれたのですが、そこから、ああだこうだというのを1年くらい繰り返し、その後やっと脚本に着手しました。脚本を書き始めてもまた打合せをやって…と、その後もずっと繰り返していたと思います。
先ほども言いましたが、一番大変だったのは2時間の映画に無理なく収めること。元々のドラマは「元カレは天才詐欺師 ~38師機動隊~」という“ラブコメ推し”だったのですが、そこから“ラブ要素”は外して作ろうと早めの段階で決めていました。かつ、クライマックスに映画オリジナルの“大仕掛け”みたいなものを作る必要がある。この“大仕掛け”を思いつくのに時間が掛かりましたね。なかなか思いつかなかったのですが、正月に妻の実家にいたときに突然降ってきました(笑)。正月って仕事も全部止まるし、やることもあまりない。そんなときに部屋でふと思いついたんです。