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『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』モーガン・ネヴィル監督 ドキュメンタリーをレゴ®に置き換える【Director’s Interview Vol.484】

© 2024 FOCUS FEATURES LLC

『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』モーガン・ネヴィル監督 ドキュメンタリーをレゴ®に置き換える【Director’s Interview Vol.484】

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映画のための書き下ろし曲「Piece By Piece」



Q:最初から『PIECE BY PIECE(原題)』というタイトルは決まっていたのでしょうか。


ネヴィル:タイトルは後から出てきた。「Piece By Piece」という曲を書いたからかもしれない。あの曲にタイトルをつけることで、映画のタイトルにもなった。ただ映画の制作中、長い間タイトルはなかった。その間はずっと『OUT OF THE BOX』(独創的な考え方)という仮タイトルで呼んでいたんだ。


Q:「Piece By Piece」を初めて聞いたときはどんな印象でしたか。


ネヴィル:エンドロールのために新曲を書き下ろしてほしかった。僕は(映画を締めくくるうえで)ヴァージニアから始まった音楽の旅、ファビュラス・マーチング・キャヴァリアーの時代に再度戻る必要があると感じた。ファレルもそれに同意してくれた。曲が完成するまでに首を長くして待った。そして8か月後に、この曲が届いたんだ。素晴らしい曲だと思った。ところが「この曲は忘れてくれ。もう1曲書いたから」と言われたんだ。僕は「でもすでに編集しているし…」と答えたら、「問題はない、全く同じビートだから」と彼が説明してくれた。前の曲よりも素晴らしかったよ。だから映画に収められた“ピース・バイ・ピース”はバージョン2なんだ。



『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』© 2024 FOCUS FEATURES LLC


どんな曲にするか決めるのにはすごく長い時間がかかったようだが、いったん書き始めると止まらなかった。その曲はさらに広がり、壮大な曲になったんだ。もし僕が映画を作る前に曲を依頼していたら、不可能だったと思う。映画を制作してみて、その経験があったからこそ、この曲が書けたのではないかと思う。映画を観て感じたことをもとに曲が出来上がったんだ。


Q:他にもおなじみのヒットが満載されていますが、挿入する選曲はいかにして決めたのでしょうか。


ネヴィル:すごく時間をかけたよ。彼のキャリアの中で重要な曲、ヒット曲は必須だったが、あまり知られていない曲でもファレルの私的な感情を表現している曲も入れた。「God Bless Us All」とか、例えば教会のシーンで登場する曲だが、ファレルが人にアドバイスをするときに書き下ろした曲で、その曲をファレルが子供の頃に恩師と仰いだ宣教師の声として使った。意味合いは変わったが、メッセージは変わっていない。ヒット曲ばかりでなく、物語を語る上でぴったりの曲というのも入れていったんだ。



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