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『ルノワール』早川千絵監督 解釈は観た人に委ねたい【Director’s Interview Vol.496】

『ルノワール』早川千絵監督 解釈は観た人に委ねたい【Director’s Interview Vol.496】

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解釈は観た人に委ねたい



Q:前作『PLAN 75』では社会問題を通じて「死」を描かれましたが、今回はよりパーソナルな視点での「死」が描かれています。意識したものはありましたか。


早川:脚本を書いたり撮影したりしている間は何も考えてなかったというか、とにかく「こういうシーンが撮りたい」というものを集めて作っている感覚がありました。「どんな映画を作りたいのか」「どんなテーマで何を表現したいのか」などは、あえて考えずに作ろうと思ったのです。映画の中で描かれている「死」にどういう意味があるのか、それによって何を描きたかったのかというのも特に設定せず、それをどう感じるかは観た人に委ねたい。作り終わった今でも、自分ではあまり考えないようにしています。


Q:主人公フキの日常や出会いが綴られていきますが、現実と空想の境界線を敢えて曖昧にしているような印象もありました。


早川:どちらにもとれるような感じで描きたかったので、そこも観た人に委ねたかった部分です。多分、その方が面白いんじゃないかな。いくらでも解釈してもらっていいし、誤解してもらってもいい。そう思っています。



『ルノワール』© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners


Q:洋服や写真などの小道具が活用され、セリフに頼らないストーリーテリングが印象的でしたが、意図したものはありますか。


早川:『PLAN 75』のときもそうでしたが、セリフ以外で伝えていくというのが自分のスタイルなのかなと。いかに見せずに見せるか。言葉以外のところで感じ取ってもらい、フレームの外にあるものを想像してほしい。そんな映画を作りたいと思っています。


Q:相米慎二監督作『お引越し』(93)やエドワード・ヤン監督作との共通性はどうしても感じてしまいます。思いがあれば教えてください。


早川:二人とも大好きな監督で、ものすごく影響を受けていると思います。二人のような映画が撮りたいと思って作っているので、おのずと想起されてしまいますよね(笑)。





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