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『ルノワール』早川千絵監督 解釈は観た人に委ねたい【Director’s Interview Vol.496】

『ルノワール』早川千絵監督 解釈は観た人に委ねたい【Director’s Interview Vol.496】

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海外との共同制作が持つ意義



Q:東南アジアからフランスまで、海外スタッフの方々も参加されています。意図があれば教えてください。


早川:『PLAN 75』のときも海外との共同制作でしたが、とてもうまくいって楽しかった。前作と同じ水野詠子プロデューサーが、今回も国際共同制作の座組を組んでくれました。日本の撮影では録音技師とブームオペレーターはフランスから来てもらい、シーンの一部をフィリピンで撮影し、編集とサウンドと音楽は前回と同じフランスで、カラーグレーディングはシンガポールで行いました。海外スタッフとより密にやり取りする作業は、とても楽しかったですね。映画を作ることを通して、こんなにもいろんな人と通じ合える。その感覚を得られたことは、映画作りの大きな喜びでした。



『ルノワール』© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners


Q:そういった座組では、映画にどんな影響が出てくるのでしょうか。


早川:たとえばポスプロ作業に関して言うと、日本で作るよりもずっと時間が掛けられるように予算を組んでもらえました。編集やサウンドデザインに十分な時間をかけられたのはありがたかったです。また、海外のスタッフと一緒に作る過程でこの映画が他の文化圏の人にどのように受け取られるのか、感触を確かめながら作れたことも大きな学びとなりました。


Q:『PLAN 75』『ルノワール』と、早川監督のやりたいことが十分に出来ている感覚はありますか。


早川:だいぶ良い環境で作らせてもらっていますね。映画作りは多くの人が携わることなので100%の自由はもちろんありませんが、いい環境に恵まれていると思います。



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監督/脚本:早川千絵

短編『ナイアガラ』が2014年第67回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門入選、ぴあフィルムフェスティバル グランプリ受賞。2018年、是枝裕和監督総合監修のオムニバス映画『十年 Ten Years Japan』の一編の監督・脚本を手がける。その短編から物語を再構築した初の長編映画『PLAN 75』(22)で、第75回カンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)特別表彰を授与され、輝かしい才能が世界から注目されている。



取材・文: 香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『ルノワール』

6月20日(金)新宿ピカデリーほか全国公開

配給:ハピネットファントム・スタジオ

© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners

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