細部で時代を感じさせる
Q:撮影の浦田さんが生み出す、温かみと生命力が溢れる画に引き込まれます。『PLAN 75』からの再タッグですが、今回は全く違う方向性でした。
早川:『PLAN 75』とは違うルックでいきましょうと、浦田さんとは話をしていて、リファレンスになる映像やイメージを共有していきました。
Q:最近の作品では『あんのこと』(24)や『箱男』(24)も浦田さんが撮影されていますが、同じ人が撮ったように見えず、驚きました。
早川:そうなんですよ。それぞれの監督の好みに合わせて撮っているそうです。
『ルノワール』© 2025「RENOIR」製作委員会 / International Partners
Q:マジックアワーやハイスピードでの撮影もありましたが、その辺も監督が具体的に希望されているのでしょうか。
早川:私からリクエストする場合もありますが、画づくりについてはほとんどお任せしていました。画は浦田さんを信頼して、私は芝居の演出に集中していましたね。
Q:美術や小道具、ヘアメイクなど、細かいところまで80年代が再現されています。こだわりはありましたか。
早川:大がかりなセットやCGで80年代を再現することは出来ないと思っていたので、細部で時代を感じ取ってもらう方向でいこうと。美術、装飾、小道具、衣装、メイクの方々は本当にこだわり抜いて作ってくれました。資料集めなども相当大変だったのではないかと。その努力の様子は私には見せず、見えないところで大変な準備をしてくださったのだと思います。