2025年9月に石川県加賀市で開催された、リトリートイベント「THUストーリーテリング」。世界中から集まったクリエイターへのインタビュー第二弾は、なんと巨匠ジョージ・ミラー監督!小島秀夫氏との熱気に包まれたトークセッション「Why We Tell A Story」を終えたばかりのジョージ・ミラー氏に直接話を伺った。
「THU Storytelling 2025」インタビュー第一弾:小島秀夫 “語り部”がいなくなることへの危惧 はこちら
THU Storytelling 2025 | Kaga City, Japan
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私たちは皆ストーリーテラー
Q:「ストーリーテリング」というテーマについて感想をお聞かせください。
ミラー:このイベントが「ストーリーテリング」に焦点を当てているのは、本当に素晴らしい。ストーリーテリングは、あらゆる文化、あらゆる時代、そして幼児期から始まる人生のあらゆる段階において普遍的なものです。私たちが人生に関わっていくための手段でもあります。また、このプログラムがストーリーテリングを広義に捉えていることは非常に重要です。なぜなら、ストーリーテリングは私たちの活動のほとんどすべての中心にあるからです。私たち全員がストーリーテラーですから。
Q:「Storytelling」の「Story(物語)」を作り、それを「telling(語る)」という役割に対して、映画監督としてそれぞれどのように対峙されていますか?
ミラー:私は自分で監督したほぼすべての作品において、自分で脚本を書いています。まずはアイデアを文章に起こすことから始まり、そして撮影の準備に移っていきます。これらは2つの要素によって推進されます。一つはアイデアをもたらす直感的な反応。もう一つは物語を作り上げるための素材に対する知的な反応。この直感と知性の相互作用が、実際の映画制作へと続いていきます。そこでは多くのスキルやテクノロジーを駆使することになりますが、どの段階においても、知的な基礎作業によって支えられた、直感的・本能的な反応との相互作用が存在しています。

Q:「ストーリーテリング」する上で、観客を没入させる主観性と、物語全体を把握させる客観性とのバランスはどのように取られていますか?
ミラー:このバランスは養っていく必要があるもの。全体的な仕組みとして物事を見ようとする能力(俯瞰的な視点)を持つ人もいれば、極めて細かなディテール、微細な粒子のレベルまで見ようとする人もいます。しかし、最も重要なスキルは、そのディテールを全体の文脈の中で捉えることです。最終的には、常に「全体は部分の総和に優先される(全体は部分よりも重要である)」という考えを念頭に置いておく必要がありますね。
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