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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』苦難の道のりを乗り越え、アニメに通じる世界観を貫いたジョージ・ミラー

(c)2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』苦難の道のりを乗り越え、アニメに通じる世界観を貫いたジョージ・ミラー

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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』あらすじ

石油も、そして水も尽きかけた世界。主人公は、愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえている元・警官マックス(トム・ハーディ)。資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕われたマックスは、反逆を企てるジョーの右腕フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、配下の全身白塗りの男ニュークス(ニコラス・ホルト)と共に、ジョーに捕われた美女たちを引き連れ、自由への逃走を開始する。


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描きたかった世界崩壊後の新たな秩序



 雑誌「映画秘宝」の年間ベスト1になったのは十分に理解できる。しかし、まさかアカデミー賞作品賞にノミネートされるとは! 2015年の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』はアカデミー賞10部門ノミネート、編集賞や美術賞など6部門で受賞を果たし、映画秘宝と対局にあるとも言える、キネマ旬報のベスト・テンでも外国映画の1位を達成した。映画マニアが魅了される蠱惑的世界に加え、メジャーな観客も歓迎する、アクションエンタメ的興奮を備えた点が、成功の要因のひとつだ。


 一方で、この『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は完成まで信じられない難苦があったことは、多くの人がご承知のとおり。2015年の映画公開時、監督のジョージ・ミラーに行ったインタビューから、その経緯と作品の意図を振り返ってみたい。


『マッドマックス 怒りのデス・ロード』予告


 「世界の終焉から45年後。そこから『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の物語は始まる。オーストラリアなどの大陸は沿岸都市が壊滅しており、ギャングたちがバッタのように大地を駆け巡る。それがこの作品の世界観だ。支配者のイモータン・ジョーは、新たな秩序を作った。あらゆる資源を牛耳っており、水も地下からポンプで汲み上げ、岩の要塞で保管している。ガソリンも『ガス・タウン(Gas Town)』と名付けた別の要塞で保管。『バレット・ファーム(Bullet Farm)』と名づけた別の要塞では、武器や弾丸などを製造して完全武装しているので、世界を支配することができるんだ。


 つまり時代は逆行して、暗黒の世界を迎えている。そういった物語だから、寓話的、神話的なカラーを帯びるわけで、そこに作り手=私の歴史観、現代世界の解釈、未来観、人間の行動科学などが複雑に絡んでいくわけだ」


 これがジョージ・ミラーが語る、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の世界観だ。


 『マッドマックス』シリーズは、第1作が1979年の公開。その後、1981年に2作目『マッドマックス2』、1985年に3作目『マッドマックス/サンダードーム』が誕生した。


 シリーズ全作を手がけたジョージ・ミラーが、ようやく待望の4作目に着手。21世紀の幕開けとともに製作がスタートされる……はずだった。



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