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『レンタル・ファミリー』HIKARI監督 × ブレンダン・フレイザー 分断の時代に「家族」を描く意義【Director’s Interview Vol.539】

『レンタル・ファミリー』HIKARI監督 × ブレンダン・フレイザー 分断の時代に「家族」を描く意義【Director’s Interview Vol.539】

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東京で暮らす売れないアメリカ人俳優が見つけた仕事は、他人の人生の中で役を演じる「レンタル家族」だった──。『ザ・ホエール』(22)でアカデミー主演男優賞を受賞し、低迷から見事に復活したブレンダン・フレイザーが次に選んだのは、東京を舞台にした家族の物語。監督・脚本を手掛けたのは、『37セカンズ』(19)で長編デビューを飾り、その後「TOKYO VICE シーズン1」(22)、「Beef/ビーフ」の第一話監督(23~)などのハリウッド・ドラマを手がける、気鋭の監督HIKARI。


ブレンダン・フレイザーとHIKARI監督は、いかにして『レンタル・ファミリー』を作り上げたのか。来日した2人に話を伺った。



『レンタル・ファミリー』あらすじ

東京で暮らす落ちぶれた俳優フィリップ(ブレンダン・フレイザー)は、日本での生活に居心地の良さを感じながらも、本来の自分自身を見失いかけていた。そんな中、“レンタル家族”として他人の人生の中で“仮の”役割を演じる仕事に出会い、想像もしなかった人生の一部を体験する。そこで見つける、生きる喜びとは?


Index


分断の時代に「家族」を描く意義



Q:「分断の時代」と言われる今、家族の物語を描く意義についてどのように感じていますか。


HIKARI:今の社会は分断が進み過ぎていて、どう説明していいか分からない状態にまでなってしまった。そんな中、映画を作る私が貢献できることは、人に優しくすることや思いやり、そして調和を題材にした作品を作ることではないか。映画では血の繋がった家族も描かれますが、それ以上に「他人同士でも家族になれるんだ」というメッセージを込めました。



『レンタル・ファミリー』©2025 Searchlight Pictures. All Rights Reserved.


フレイザー:ますます分断が進む世界において、家族の物語を伝えることの意義に深く共感し、この物語を伝えたいと思いました。


この映画を観た人は皆、異なる何かを受け取ります。観客はそれぞれのキャラクターに自分自身を重ね合わせ、そこに感情を投影している。また、この映画の舞台である東京そのものが、一つのキャラクターとして存在し、観客を特別な場所へと連れて行ってくれます。私にとって東京は特別な場所であり、その素晴らしさはいくらでも語ることができるほど。東京、そして日本には、特有の「お互いに敬意を示す方法」があると感じます。それは、「常に自分より他者を優先する姿勢」です。それがこの社会を機能させる仕組みになっている。そう言うと大袈裟かもしれませんが、でもだからこそ、この映画は今の時代により一層意味を持ち、必要とされていると感じるのです。


タイトルのユニークさに加え、「レンタルファミリー」というビジネスモデル自体が約40年も存在している事実にも驚かされます。これほど長く続いているということは、何か正しい役割を果たしているからでしょう。メンタルヘルスの問題については、日本ではあまり公に語られない傾向があると思いますが、私が最も勇気づけられるのは、人は必ず「自分の満たされないニーズを満たす方法」を見つけ出すということ。薬剤師やセラピスト、カウンセラーや聖職者に頼らなくても、人は何らかの解決策を見つけ出します。レンタルファミリーは、人々が抱える問題に対処するための場や、感情のはけ口を提供してくれる。水が高いところから低いところへ流れるように、人は自分自身の行くべき道を見つけるものなのです。




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