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『ラプソディ・ラプソディ』利重剛監督 映画は子育て。公開後は自立していくのを見守るだけ【Director’s Interview Vol.546】

『ラプソディ・ラプソディ』利重剛監督 映画は子育て。公開後は自立していくのを見守るだけ【Director’s Interview Vol.546】

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映画が自立していくのを見守ること



Q:撮影は初タッグの池田直矢さんです。スタッフィングの経緯を教えてください。


利重:Disney+で配信している「ガンニバル」(22~Disney+)に出演したのですが、そのときの撮影が池田さんでした。彼の現場での居方や俳優とのコミュニケーションを見て、「この人と仕事がしたい!」と惚れ込んで声をかけました。池田さんは僕のことを最初は監督だとは思っていなかったようですが(笑)、現場で僕が色々観察している様子を見て「面白い人だな」と思ってくれていたらしく、お互いに気が合っちゃたんです。


Q:池田さんは木村大作さんのお弟子さんで、少人数の現場で「全員が同じ方向を向く」ことの重要性を大切にされていますね。


利重:まさにその通りで、今回も非常にミニマムな体制で、全員が同じ方向を向いて撮影しました。



『ラプソディ・ラプソディ』(c)2026 利重 剛


Q:13年ぶりの監督作品でしたが、今後もまた監督を続けていかれますか。


利重:今はまだ分からないですね。僕は「これまでこんなふうに生きて来て、今こんなこと考えています」という「遺言」のつもりで一本一本撮っています。今回も「自分が撮りたいと思うもの、自分が“映画”と思うもの」をポンと置いた、という感覚です。


映画を作ることは「子育て」に似ています。撮影中から完成までは繊細に育てていきますが、出来上がって公開されたら、あとは社会に出て行くだけ。監督が「この子はいい子ですよ」といくら言っても、あとはお客さんとのコミュニケーション次第なんです。


映画を作った時は、なるべく観た方とコミュニケーションを取るようにしています。感想を聞いていると、その方の人生の一部や秘密を教えてもらえることがある。「あのシーンのここが自分に似ていて感動した」といった言葉を聞くたびに、映画とは本当にすごいものだと感じますね。監督が全てをコントロールするのではなく、一本の映画が出来上がり、社会の中で自立していくのを見守る。それが僕にとっての映画制作の正解なのだと思っています。




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監督/脚本/製作/出演:利重 剛

1962年生まれ、神奈川県横浜市出身。1981年、自主制作映画「教訓I」が、ぴあフィルムフェスティバルに入選。同年公開の『近頃なぜかチャールストン』(岡本喜八監督)では、主演・共同脚本・助監督を務める。自主映画「見えない」(85)を経て、89年『ザジ ZAZIE』で劇場用監督デビュー。『BeRLiN』(95)で日本映画監督協会新人賞を受賞、『クロエ』(02)がベルリン国際映画祭コンペティション部門に正式招待されるなど監督として国内外で注目を集める。本作は『さよならドビュッシー』(13)以来13年ぶりの監督作、オリジナル作品としては31年ぶりとなる。俳優としても数々の映画・ドラマなどに出演しており、近年の主な出演作は『たしかにあった幻』(河瀨直美監督)など。公開待機作に『未来』(5月8日公開予定/瀬々敬久監督)、『祝山』(6月12日公開予定/武田真悟監督)、『おばあちゃんの秘密』(2026年初夏公開予定/今関あきよし監督)などがある。



取材・文:香田史生

CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


撮影:青木一成




『ラプソディ・ラプソディ』

5月1日(金)テアトル新宿、シネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー

配給:ビターズ・エンド

(c)2026 利重 剛

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