「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2026」プロデューサー・ドラゴン(阿部龍太郎) ショートフィルムって面白い!【CINEMORE ACADEMY Vol.50】
余白があるコンテンツ
Q:上映される作品も面白くてクオリティ高いものが多いですね。
ドラゴン:中学生の頃から映画が好きで、たくさんの長編映画を観てきたつもりなのですが、それでも自分の知らない映画監督たちが日本にも海外にもこれだけたくさんいて、「こんなに大量の映画が作られているんだ」ということを実感する機会になります。有名な俳優さんが出ているわけでもないし、有名な監督さんが作っているわけでもないですが、本当に面白いんです。
ショートフィルムって基本的には25分以内、モノによっては10分、5分とかの作品もあるんですけど、仮に20分の作品だとしても「2時間の映画に比べて面白さが6分の1か?」と言われると、そんなことはない。記憶に残っているショートフィルムって、なんとなく脳内で勝手に前後を埋めている、補完しているんです。20分の作品を見ても、脳内で1時間ぐらいになっているというか。逆に言うと、長編を観ても思い出せる領域って限られていると思うんです。記憶の中では一瞬になっていることもある。ショートフィルムを観たときのインパクトや感情の動かされ方って、長編に負けないぐらい脳内に残ってくるんです。
例えば、冒頭に家族が食事をしているシーンがショートフィルムにあったとして、楽しそうに食事をしてるのか、しんどそうに食事をしてるのか、無言で食事をしてるのかによって「この家族ってこういう家族なんだろうな」ということを観ている人が勝手に埋める。そうすると記憶の中では長くなってくるんですよね。そういう楽しみ方がある。観れば観るほど、ショートフィルムって「余白があるコンテンツだな」って思いますね。

「SHORT SHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2026」プロデューサー・ドラゴン(阿部龍太郎)氏
映画はショートフィルムから始まっている
Q:実はショートフィルムを観ている人は多く、ピクサーなども優れた作品を作っていますよね。
ドラゴン:そうなんですよ。ショートフィルムの入り口ってやっぱりピクサーやディズニーだったなと。僕が映画好きになったきっかけというのは諸説あるんですけど(笑)、一番よく言っているのは『007』なんですね。中学校1年生の時にテレビで観て「あんなに不思議な車があるのか、すごい車があるのか」みたいな驚きがあったのですが、その前にディズニーにめちゃくちゃハマってた時期があるんです。
ディズニーってものすごい量のショートフィルムを作っている。僕が好きなのは『101匹わんちゃん』ですが、『シンデレラ』や『白雪姫』といった映画もありつつも、ミッキーやドナルド、名前もわからないようなキャラクターのショートフィルムが大量に作られているんです。あと僕が好んで観ていたのが『シリー・シンフォニー』シリーズっていう「おバカな交響曲」みたいな感じのやつで、有名なものに『三匹の子ぶた』などがあります。映画のルーツという意味でもショートフィルムって奥深いんですよね。