事前に用意した全カットの写真コンテ
Q:ドローン撮影やグレーディングも含めて、どのショットも撮影が素晴らしかったですが、撮影の西岡徹さんとは今回が初めてですか。
下津:映画では初めてです。ただ、これまでずっと広告の仕事をしてきたので、広告現場では何本かご一緒しています。
Q:撮影の西岡徹さんとはどのようなことを話されたのでしょうか。
下津:この映画では、最初から最後まで全て「写真コンテ」を作成しています。スタッフや仮の役者さんを呼んで全カットのアングルを切り、100枚ほどのPDF資料を作成して、すべてその通りに撮影しました。広告制作で常に絵コンテを描いていた経験が生きていると思います。
Q:現場で役者に芝居をさせてからカメラの動きを決める監督も多いと思いますが、全て事前に決めて臨んだと。
下津:そうですね。日本映画は少し「演技至上主義」になりすぎていると感じることがあります。最終的には映像として仕上がるものなので、もっと映像的な構築を考えるべき。現場で起きることも大切ですが、事前に準備できることは多いはず。僕は演技の演出家というより映像の演出家。どんなに素晴らしい芝居でも、監督の切り取り方が悪ければ下手に見えることもありますから。
Q:事前に全シーンのアングルを写真で抑えるのは大変な作業ですね。
下津:結構大変ですが、CM制作でのスタンスを基軸にやっているので、僕としては写真コンテができたら、もう映画が出来たような感覚があります。それを現場で再現するだけですね。

『NEW GROUP』©2026映画「NEW GROUP」製作委員会
Q:光の柱や巨大な人間ピラミッドなど、VFXも素晴らしかったです。こだわりがあればぜひお聞かせください。
下津:エンドロールではVFXフタッフとして4人ぐらいの名前が出ていますが、実質的にはVFXスーパーバイザーの橘剛史が1人でやっていて、本当に泣きながらレンダリングしていたそうです(笑)。前作に引き続き、彼がやってくれて本当に良かったです。
Q:キャスト全員の全身スキャンデータを取り込んで、ピラミッドを作り込んだそうですね。
下津:一人一人の全身をスキャンしてCG人形にしたので、ピラミッドをよくよく見るとクラスメイトがいたりしますよ。
Q:影響を受けた監督や好きな映画を教えてください。
下津:デヴィッド・フィンチャーが大好きです。映画の内容的にはジョーダン・ピールやM・ナイト・シャマランなどが好きでして、撮り方で好きなのはデヴィッド・フィンチャーやドゥニ・ヴィルヌーヴ、そしてヨルゴス・ランティモスなど。僕はその辺を混ぜた感じにして撮っていると思います。
Q:ジョーダン・ピールが好きというのは、すごくしっくり来ました。
下津:これなんて、まさに『アス』(19)ですよね。
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監督/原案/脚本:下津優太
1990年福岡県北九州市出身。大学在学時よりTV-CMを企画・演出。TV-CMやMVの監督をする傍ら、第1回日本ホラー映画大賞にて大賞を受賞し、『みなに幸あれ』(24)にて商業映画監督デビューを果たす。
取材・文:香田史生
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。
撮影:青木一成
『NEW GROUP』
6月12日(金)全国公開
配給:KADOKAWA
©2026映画「NEW GROUP」製作委員会