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『ユースフル・ゴースト』ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督 ホラー&コメディから社会批判まで、予測不能な映画体験の秘密【Director’s Interview Vol.574】

© 2025 185 FILMS, HAUT LES MAINS, MOMO FILM CO.

『ユースフル・ゴースト』ラッチャプーム・ブンバンチャーチョーク監督 ホラー&コメディから社会批判まで、予測不能な映画体験の秘密【Director’s Interview Vol.574】

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現実のテクノロジーや映画から受けた影響



Q:そもそも、この映画のアイデアはいつごろ生まれたのですか。


ブンバンチャーチョーク:アイデアが生まれたのは2017年で、実際に撮影したのは2023年。映画を撮るまでに6年かかりましたが、それは私がテレビドラマの脚本を書く仕事をしていたからです。テレビドラマの脚本を書くのはとても大変で、まるで工場のように脚本を常に書いている。本当に消耗していて、個人的なプロジェクトに使う時間はありませんでした。それが2020年、コロナ禍でドラマの撮影が止まり、初めて自分の企画を進められるようになったのです。


Q:掃除機に幽霊が取り憑くという設定ながら、映画を観ているとロボット掃除機やAI家電も想起させられます。スマートトイレのお話もありましたが、あっという間に普及したAI家電の存在は意識しましたか。


ブンバンチャーチョーク:実はAIについて言及したセリフがあったのですが、編集でカットしました。妻のナットが掃除機に取り憑き、夫に会うために病院を訪れ、受付の看護師と話をするシーンです。看護師は「あなたは死んでいるのだから、もう妻ではありません」といった言葉を口にしますが、そこには「幽霊だったんですね、AIかと思いました、スマート掃除機かなって」というセリフもありました。だけど、そんなセリフがなくても十分おもしろいと思い、カットしたんです。



『ユースフル・ゴースト』© 2025 185 FILMS, HAUT LES MAINS, MOMO FILM CO.


Q:生き物ではないものが、まるで生き物のように動き出すという設定や描き方には、まるでディズニー&ピクサー映画のような楽しさもありました。監督自身はどんな映画や監督たちに影響を受けていますか。


ブンバンチャーチョーク:私はヨーロッパの映画に強い影響を受けていて、マノエル・ド・オリヴェイラやジャック・リヴェット、シャンタル・アケルマンといった監督から刺激を受けました。彼らの映画は現実的なのに、どこか夢のような雰囲気がある……私もそんな世界を作りたかったのです。


ディズニーやピクサーについて言えば、『トイ・ストーリー』(95)の影響はあるのかもしれませんが、特に意識したわけではありません。アメリカの映画監督でいえば、クエンティン・タランティーノの映画は撮影前に見返しました。『イングロリアス・バスターズ』(09)や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(19)で、彼が有名な歴史を取り上げ、新たに想像しなおすやり方に惹かれたのです。




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