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『クロノス・カイロス』ヘッラ・ウルッポ監督 × プロデューサー:ミカ・ラッティ × 主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン 映画作りは、砂場遊びのようなもの【Director’s Interview Vol.588】

向かって左から主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン氏、ヘッラ・ウルッポ監督、プロデューサー:ミカ・ラッティ氏

『クロノス・カイロス』ヘッラ・ウルッポ監督 × プロデューサー:ミカ・ラッティ × 主演:トニ・プロトニ・ヤルヴィネン 映画作りは、砂場遊びのようなもの【Director’s Interview Vol.588】

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映画がもたらす「安らぎ」



Q:ミカさんは作家としての活動と映画館の運営、ヤルヴィネンさんはDJやイベントのオーガナイザーとして活躍されています。文化交流の場を作り上げ、人々の文化への意識を支えてきた二人にとって、映画にはどのような力があると思いますか。


ヤルヴィネン:イベントの企画やレストランの経営など、かれこれ20年以上エンターテインメント業界で働いてきました。現在は2軒のレストランを経営しており、昨年の夏の終わりには音楽フェスを主催するなど、地元で様々なイベントのプロデュースも行っています。私は芸術肌の起業家であり、何事にも全力で飛び込んでいくようなお調子者なのです。このスタイルを貫くためにそれなりの代償も払いつつ、こうした活動に熱意を持って取り組んできました。


そんな私にとって、映画は素晴らしい芸術であるとともに、驚くほど多様な表現が可能なものです。昔から映画が好きで、地元で5年間ほど映画館の運営に携わったこともありました。しかし、コロナ禍で映画館が閉鎖され、映画に関わる事が出来なくなってしまいました。だからこそ、本作の上映で再び映画に関われたことを大変嬉しく思っています。


余談ですが、本作はコロナ禍の直前にすべての撮影を終えていたので、マスクを着けた男のアイデアは、コロナ禍以前からあったものです。当時のフィンランドでは誰もあんなマスクは着けていませんでした。あのマスクは、世界や国がおかしいこと、何らかの異変があることを観客に伝えるための演出だったのです。



『クロノス・カイロス』


ラッティ:ハッピーエンドであれ、悲劇的な結末であれ、優れた映画は観客に安心感を与えてくれます。映画館を出る時、「なんとかなる、人生は続いていくんだ」と前向きな気持ちになれる。『クロノス・カイロス』もまさにそうです。


結局のところ、映画がもたらす「安らぎ」とは、人生がすべて失われたわけではないと気づくためにあるのではないでしょうか。世界は回り続け、私たちは前に進んでいけるのだという希望を映画は与えてくれます。映画からインスピレーションを得ることは、私たちにとって非常に大きな意味がある。人々に安らぎや有意義なひとときを届ける。それこそが、私が映画を作り、映画館を運営する理由なのです。


今回の日本での劇場公開は、『架空の犬と嘘をつく猫』(26)のタリン・ブラックナイト映画祭での上映後、森ガキ侑大監督が「キノ・ライカ」を訪れてくれたことから始まりました。映画が繋いでくれた縁があったからこそ、こうして日本で映画を公開できたのです。この出来事は、まるで希望の光のように感じられますし、物事は最終的には上手くいくのだと示唆してくれているようにも思えます。それこそが、映画の持つ素晴らしい力なのです。




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